「日本企業のIT人材は技術の新旧を問わず不足」 ガートナー調査:製造マネジメントニュース
日本企業のIT人材は、システムや事業の新旧を問わず不足していることが、ガートナージャパンの調査で明らかになった。人材不足への取り組みは、「中途採用の積極化」が最も多かった。
ガートナージャパンは2024年8月1日、日本企業のIT人材に関する調査結果を発表した。人材や組織の課題として、「質的な人材不足」を選んだ回答者が最多で、AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)だけでなく、システムや事業の新旧を問わず不足していることが分かった。
調査は、年間売上高500億円以上の日本企業でITやデジタルの戦略策定に携わっている役職者を対象に、2024年4月に実施した。
質的な人材不足を課題の1位にあげた回答者は14.5%、3位までに選んだ回答者の合計は31.9%だった。人材不足への取り組みでは、「中途採用の積極化」(47.3%)が最も多く、「インターン制度の活用」(31.8%)が続いた。他に、「新卒採用における条件の改善」(30.8%)や「アルムナイ採用(退職者の再雇用)」(23.8%)といった回答もあった。
また、人材の定着率やエンゲージメントを向上するための施策として、「フレキシブルな勤務時間」(59.1%)と「リモートワーク」(58.8%)を採用している企業が半数を超えていた。「副業の解禁」(35.5%)も3割を超え、働き方の自由度が高くなってきていることがうかがえる。さらに、「週休3日制」について、「採用済み」(21.1%)と「12カ月以内に採用予定」(18.8%)の企業を合わせると、1年後には週休3日制を約4割で実施することが明らかになった。
調査結果から同社は、企業はIT部門に独自のキャリアパスや処遇を整え、IT専門人材に対してブランディングで自社をアピールするなど、必要なスキルを持つ人材を受け入れるための努力が必要と分析している。
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