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前処理を2工程に短縮できる無電解めっき用プライマーを開発:材料技術
共同技研化学は、無電解めっき用プライマー溶液「メタピアン」を開発した。塗布、乾燥するだけで前処理が完了し、樹脂やセラミックス、不織布などの非導電素材に均一なメッキ層を形成できる。
共同技研化学は2024年7月2日、無電解めっき用プライマー(下塗り剤)溶液「メタピアン」を発表した。基材に塗布、乾燥するだけで前処理が完了し、高品質のめっき層を形成できる。
メタピアンは、溶液の粒子径が50〜150nmと微細で、沈殿しにくく分散状態を安定的に保つことができる。330℃までの耐熱性を備え、高温条件下でも密着性を発揮する。
樹脂やセラミックス、不織布などの非導電素材に均一なめっき層を形成でき、通常は脱脂やエッチング、水洗など、10〜25以上の工程が必要な前処理を2工程に短縮可能だ。生産性の向上に加え、廃液の減量など環境負荷低減につながる。
電気を使用せず、めっき液に浸漬してめっきを形成する無電解めっきは、3次元形状や異形曲面の他、配線パターンへもめっきが可能だ。前処理工程を簡素化できるメタピアンは、1kg数万円程度での供給を想定。電子機器や自動車、機能素材などの用途を見込む。
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