ニュース
アルミニウム合金と合金化溶融亜鉛めっき鋼板の異材接合技術を開発:金属加工技術
ダイヘンは、レーザーアークハイブリッド溶接を用い、アルミニウム合金と合金化溶融亜鉛めっき鋼板の異材接合技術を開発した。レーザー未照射期間の入熱を抑制することで、脆弱な金属間化合物の生成を抑える。
ダイヘンは2020年11月25日、レーザーアークハイブリッド溶接を用いて、アルミニウム合金と合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA材)の異材接合技術を開発したと発表した。
レーザーアークハイブリッド溶接は、ダイヘンのシンクロフィード溶接法と古河電工のビームモード制御を組み合わせた溶接技術。レーザー光をこれまでの連続照射方式からパルス照射方式に変更した「パルスレーザーアークハイブリッド接合法」により、高めたピーク出力がGA材のめっき層を除去し、接合性を向上する。レーザー未照射期間の入熱を抑制することで、課題だった溶融亜鉛めっき鋼板(GI材)よりも脆弱な金属間化合物の生成を抑える。
6000系アルミとGA材の接合において、4000系ワイヤとの組み合わせにより引張強度110MPa(JIS規格A級判定基準の2倍以上)と、実用的な強度を確保する。
アーク溶接をベースとするため、既存設備が流用できる。構造部材の形や生産工程を大きく変更することなく、構造部材の素材をアルミに変更でき、導入が容易だ。また、リベットや接着剤など他の接合方法と比べて工程時間が半減する。特殊な材料も不要で、ランニングコストを低減できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- アルミニウムと鋼板を接合できる溶接システム、ランニングコスト抑制に貢献
ダイヘンと古河電気工業は、アルミニウム合金と亜鉛メッキ鋼板の異材接合が可能なレーザー・アークハイブリッド溶接システムを共同開発した。現状の溶接ライン設備が流用でき、特殊な材料も不要なため、ランニングコストが抑えられる。 - 自動車生産ライン向け摩擦攪拌接合ロボットを開発、200kg可搬クラスに対応
日立パワーソリューションズとトライエンジニアリングは共同で、多関節ロボットを用いた摩擦攪拌接合ロボットを開発した。アルミなどの薄肉材料の接合に対応し、自動車生産ラインへの導入を目指す。 - 異方性導電接続材料を使った低温接合技術
当たり前のように使われている鉛フリーはんだだが、まだ課題は多い。その鉛フリーはんだをテーマとする「第44回インターネプコン ジャパン」の専門技術セミナーに3人の専門家が登壇。本連載では、その講演内容をリポートする。第2回は、タムラ製作所の清田達也氏による「低温接合材料による新たな実装分野への展開」だ。 - 金属3Dプリンタ活用3つのハードルと日本のモノづくりの今後
金属3Dプリンタ関連の技術開発が急速に進み、海外を中心に製造事例も聞こえてくるようになった今日、その動きに取り残されないよう、従来の考え方や経験にとらわれない仕事をしていくことが、今後はより重要になっていきそうだ。 - 金属3Dプリンタは量産対応とともに「誰でも使える」を目指す、ソフトウェアも続々
東京ビッグサイトで「第29回 設計・製造ソリューション展(DMS2018)」が開催された。その中で金属3Dプリンタは海外を中心に10社以上の製品が並んだ。 - 足し引き自在で効果は無限大! 金属3Dプリンタと切削加工の複合機投入が本格化
「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」で大きな見どころの1つとなったのが、工作機械と金属3Dプリンタの複合機だ。金属を「足す」3Dプリンタと金属を「引く」切削加工機が組み合わさることでモノづくり現場にどういう価値をもたらすのだろうか。