3Dプリンタ活用で金型レス鋳造を実現するキャステムの「デジタルキャスト」:ものづくり ワールド[東京]2024
キャステムは「第29回 機械要素技術展」に出展し、金型不要で1個から鋳造可能な「デジタルキャスト」について紹介していた。
キャステムは「第36回 ものづくり ワールド[東京]」(会期:2024年6月19〜21日/会場:東京ビッグサイト)の構成展の1つである「第29回 機械要素技術展」に出展し、金型不要で1個から鋳造可能な「デジタルキャスト」を紹介していた。
デジタルキャストとは、ロウ(ワックス)の代わりに3Dプリンタで造形した樹脂モデルを原型とし、ロストワックス鋳造と同じ流れで金属部品などを製作する、デジタル技術を活用した金型レスの鋳造手法だ。
3Dプリンタで造形した樹脂モデル(原型)を複数つなげたワックスツリーに、セラミック液/粉末を4〜6層ほどコーティングし、これを高温の焼成炉にかけて樹脂モデルだけを消失させてセラミック鋳型を製作。最後に、溶融させた金属をセラミック鋳型に注湯するという流れだ。
通常のロストワックス鋳造で必要となるワックスパターン用の金型製作が不要となり、コスト削減と工期短縮が見込める。さらに、複数の形状案を1つずつ金属化して検証したり、同じ形状を異なる金属(鉄、ステンレス、銅、アルミニウムなど)で製作したりといった試作検証ニーズや、3Dプリンタの強みを生かした複雑な3次元形状の部品製作にも適している。最短納期(目安)は14日で、500mm角程度の寸法まで対応可能。法人だけでなく個人でも製作依頼が行えるという。
「通常のロストワックス鋳造では形状変更が発生した場合、金型の修正が必要になるが、デジタルキャストであれば3Dデータを修正してそのまま3Dプリンタで原型が作れてしまうためコストも時間も大幅に削減できる。大量に生産するものであれば型を起こした方がよい場合もあるが、例えば年に100個程度しか生産しないような、たまにしか出ない部品などの場合はデジタルキャストの方が適している。また、材質違いのものを数個ずつ試しに作ってみたいといった場合にも向いており、ブロックから削り出すよりも大幅にコストダウンできる」(説明員)
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