ストラタシスが自動車業界における多彩な3Dプリンタ活用の方向性を提案:ものづくり ワールド[東京]2024
ストラタシス・ジャパンは「第7回 次世代3Dプリンタ展」に出展し、試作から最終製品の造形までをカバーする同社3Dプリンタによる自動車業界向けの各種活用提案を行った。
ストラタシス・ジャパン(以下、ストラタシス)は「第36回 ものづくり ワールド[東京]」(会期:2024年6月19〜21日/会場:東京ビッグサイト)の構成展の1つである「第7回 次世代3Dプリンタ展」に出展し、試作から最終製品の造形までをカバーする同社3Dプリンタによる自動車業界向けの各種活用提案を行っていた。
現在ストラタシスは、PolyJet、SLA(光造形)、FDM(熱溶解積層)、P3(プログラマブル光重合)、SAF(Selective Absorption Fusion/選択的吸収結合)の5つの樹脂系3Dプリントテクノロジーを有しており、さまざまな3Dプリンタ/材料をラインアップしている。今回の展示では、自動車業界における設計開発、製造/製造補助、部品生産といった各フェーズに対し、ストラタシスの3Dプリントテクノロジーがどのように貢献するのかを、造形サンプルの展示を通じて訴求していた。
例えば、内装(インテリア)部品関連では、塗装では表現が難しいCMF(色/素材/加工)を3Dデータから忠実に再現したベゼルや、金型を用いた射出成形では困難な無数の小さな穴の空いたスピーカーグリル、3Dテクスチャーでシボ加工を再現したテクスチャープレートなどを展示していた。
さらに、テキスタイル(生地)に対して直接3Dパターンを造形できる、PolyJetをベースとする「FabriXテクノロジー」に関しても紹介。展示ブースでは東レの人工皮革素材「Ultrasuede」にフルカラー造形したサンプルが展示されていた。「ただ生地の表面に3Dパターンを載せているわけではなく、生地に完全に吸着させた状態で造形しているため簡単に取れてしまうことはない。条件にもよるが凹凸の高さも7〜8mmくらいは出せる」(説明員)とし、ファッション業界からの引き合いも非常に強いという。
一方、外装(エクステリア)部品に関しては、ポリプロピレンを用いたフレキシブルダクト、複雑なデザインが施されたホイールディスク、実際にBMW傘下のMiniブランドで中国向けのカスタムパーツとして販売された3Dプリンタ製サイドスカットルなどが展示されていた。
また、最終部品の代わりに使われるサロゲートパーツ(代替部品)をFDM方式3Dプリンタで造形する提案も行っていた。「例えば、部品を実際に車体に組み込む前に、フィット感や取り付け状態を確認するフィッティングテストにおいて、部品の現物がそろうのを待つことなく、FDMで素早く3Dプリントしたサロゲートパーツを用いて評価し、早期に組み立て時の問題を把握できるようになる」(説明員)。
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