最終用途部品など、AM用途の可能性を広げる3Dプリンタの新材料6種を発表:3Dプリンタニュース
Stratasysは、「Origin One」プリンタ用の新しいP3材料4種と「F900」用のKimya PC-FR、FDM HIPS検証済み材料2種を発表した。新材料により、最終用途生産や製造グレード試作への取り組みを強化する。
Stratasys(ストラタシス)は2023年11月21日、「Origin One」プリンタ用の新しいP3材料4種と、「F900」用のKimya PC-FR、FDM HIPS検証済み材料2種を発表した。新材料により、最終用途生産や製造グレード試作への取り組みを強化する。
P3 DLPプラットフォームを強化する新性能グレード材料は、「Somos WeatherX 100」「Somos PerFORM HW」「P3 Deflect 190 ESD」「P3 Stretch 80」の4種類だ。
Somos WeatherX 100は、自動車の内装やオートバイの部品、屋外製品など環境耐久性を必要とする用途向けとなる。SAE業界基準の試験により、材料の耐候性、耐久性、寸法精度について信頼性がより高い試験データを得られる。
Somos PerFORM HWは、剛性が要求される射出成形金型や高剛性治具用のセラミック充填(じゅうてん)材で、優れた耐摩耗性と耐高温性を有する。
ヘンケルと開発した特殊樹脂のP3 Deflect 190 ESDは、HDT(熱変形温度)が190℃で、静電気散逸特性(ESD)、高剛性などの特性を備える。電子機器、工具やハウジング用途の治具、固定具のAM(アディティブマニュファクチャリング)に対応する。
P3 Stretch 80は、BASFとForward AMが共同開発したエラストマー試作用樹脂。シール、ガスケット、グリップ、マスカントなどの柔らかい部品に向いている。従来のポリウレタンやTPUの代替品として使え、既存のエラストマーに手頃な価格で追加できる。
また、Origin One用「GrabCAD Print」ソフトウェアに導入された自動サポート生成機能により、材料特性に基づいて定義済みのサポートプロファイルから選択したり、ワークフロー制御のためにカスタマイズしたりできる。
F900向けには、2種類の新材料「Kimya PC-FR」「FDM HIPS」と、ULTEM(PEI)、PC、PC-ABS向けに新たに8色を展開する。
難燃性ポリカーボネート材料のKimya PC-FRは、少量生産や交換部品などの最終用途部品向けに特別に設計された材料で、レール用途のEN45545要件を満たしている。FDM HIPSも少量生産、交換部品などの最終用途に特化した材料だ。
これらの新材料について、同社は2023年後半から2024年前半の市販を予定している。
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