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電力スマートメーターによる共同検針が可能なWi-SUNベースの無線標準規格を制定製造業IoT

情報通信研究機構らは、IoTルートに対応した無線通信規格「Wi-SUN enhanced HAN」を正式に制定した。電力スマートメーターシステムを用いて、ガスや水道のメーター、特例計量器を共同で検針できるようになる。

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 情報通信研究機構(NICT)は2024年6月12日、東芝、ルネサス エレクトロニクス、ランディス&ギアジャパン、アイ・エス・ビー、沖電気工業と共同で、「Wi-SUN enhanced HAN」規格をWi-SUNアライアンスで正式に制定したと発表した。

 2022年4月開始の特定計量制度により、計量法の検定を受けていないメーターでも一定の基準を満たせば電力の取引などができるようになった。その際に定義された通信ルートが、「IoT(モノのインターネット)ルート」だ。IoTルートでは、各住宅などに設置された電力スマートメーターシステムを経由して、特例計量器やガスメーター、水道メーターの共同検針が可能だ。

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「IoTルート」の利用イメージ[クリックで拡大] 出所:情報通信研究機構

 IoTルートに対応したWi-SUN enhanced HAN規格の制定により、電力スマートメーターシステムを用いて、ガスや水道のメーター、特例計量器を共同で検針できるようになる。同規格をもとに、情報通信技術委員会(TTC)が制定するホームネットワーク通信インタフェースの標準規格「TTC JJ-300.10」を改定し、2024年5月16日付で発効した。今後、TTC JJ-300.10に準拠した無線端末を導入すれば、共同検針が可能になる。

 Wi-SUN enhanced HANは、ガスや水道のメーター、特例計量器を管理する無線端末と、電力スマートメーターをIEEE 802.15.4gの物理層とIEEE 802.15.4のMAC層を用いて接続できる。また、IPv6通信にも対応する。

 機器を管理する無線端末が、通信時以外は電力を落とす「Sleeping device」の場合も接続用の通信手段が定義されている。中継デバイス「Relay device」を介した接続機能を備えており、端末が屋外などにあっても接続できる。

 NICTらは今後、共同検針の実用化に向け、同規格の適合性や相互接続性を試験するための測定器の開発と検証を進める。

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