緊急車両検知がBMWの自動運転システムに採用、走行の安全性向上へ:自動運転技術
Cerenceの緊急車両検知「Cerence EVD」が、BMWグループのレベル3条件付き自動運転システム「BMW Personal Pilot L3」に採用された。
Cerence(セレンス)は2024年6月5日、緊急車両検知「Cerence EVD」がBMWグループのレベル3条件付き自動運転システム「BMW Personal Pilot L3」に採用されたと発表した。緊急車両のサイレンを検知し、安全走行機能を強化する。
Cerence EVDは、緊急信号特有の音響構造を判断し、パトカー、消防車、救急車のサイレンを確実に検知する機能を有する。近づいてくる緊急車両のサイレンを検知すると、自動運転レベル3システムの車両が緊急車両を優先するために適したアドバイスをするなど、ドライバーに必要な情報を提供する。BMW Personal Pilot L3を起動させると、近くにいる緊急車両のサイレンを検知し、緊急車両が近づいてくる場合は自動運転の切り替えを遅らせる。
また、走行中にサイレンを検知した時には、車内のラジオなどの音量を下げ、自動運転モードからドライバーへの切り替えを求めることで、安全に緊急車両が通過できるようにする。
米国自動車技術者協会(SAE)は、「ドライバーがハンドルから手を離し、一時的に目線を前方から外すことができる」状態をレベル3の条件付き自動運転と定義付けている。BMW Personal Pilot L3は、ドライバーを特定の走行状況で解放し、車両速度、先行車との車間距離、車線位置をコントロールする。現在、BMW Personal Pilot L3は、ドイツ国内市場のBMW 7シリーズに搭載されている。
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