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複数の物流事業者の荷物配送状況を一括管理する「共同配送システム」を構築:物流のスマート化
ゼンリンは、ヤマト運輸の協力のもと、複数の物流事業者の荷物配送状況を一括管理する「共同配送システム」を構築した。埼玉県秩父市にて実運用を開始する。
ゼンリンは2024年6月3日、ヤマト運輸の協力のもと、複数の物流事業者の荷物配送状況を一括管理する「共同配送システム」を構築したと発表した。同日より、埼玉県秩父市にて実運用を開始する。
同システムは、地域の配送を担う事業者が複数の物流事業者の荷物をまとめて配送する「共同配送」に向けたものとなっている。共同配送サービス全体を統括するゼンリンが、配送管理システム構築の運用に関する知見を有するヤマト運輸の協力を得て、パナソニック コネクトの「配送見える化ソリューション」をカスタマイズした。
地域の配送を担う事業者は、荷物に貼り付けられた配達伝票のバーコードを専用端末を用いてスキャンし、システムに情報を登録。情報はクラウドを介して共有されるため、物流事業者各社はブラウザ上で荷物の状況を確認できる。既存の基幹システムを改修せずに利用できる。
埼玉県秩父市では、ヤマト運輸、西濃運輸、福山通運の荷物を集約し、地域の事業者が個人宅などに配送する「おむす便」にて同システムを実運用する。
また、今後はヤマト運輸と協力し、共同配送サービスや共同配送システムの水平展開を図る。
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