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日本発の冷感技術で酷暑対策、住友化学の樹脂蓄熱材がクーリングウェアに採用材料技術

リベルタは、住友化学の世界初の固体ポリマー型温度調節材料「コンフォーマ」を用いた繊維と、ユタックスによる世界トップレベルの冷感プリントを組み合わせ、3社による協力で開発したクーリングウェア「氷撃α」を2024年6月下旬に発売する。

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 リベルタは2024年5月21日、住友化学の世界初(住友化学調べ)の固体ポリマー型温度調節材料「コンフォーマ」を用いた繊維と、ユタックスによる世界トップレベルの冷感プリントを組み合わせ、3社による協力で開発したクーリングウェア「氷撃α(アルファ)」を2024年6月下旬に発売すると発表した。

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「氷撃α」を発表するリベルタ 代表取締役の佐藤透氏(中央)、ユタックス 代表取締役社長 宇高(はしごだか)大介氏(右から2人目)、住友化学 取締役 兼 副社長執行役員の上田博氏(左から2人目)[クリックで拡大]

 住友化学のコンフォーマは、独自の材料設計技術により樹脂成分の相転移による潜熱を利用できるようにした新しいポリマーである。既存材料と異なり、固体の状態を維持したままで吸熱と放熱が行えることが特徴だ。ポリエステルやナイロンなどの一般的な合成繊維と同様に溶融紡糸で長繊維化を実現し、衣服への量産適用を可能とした。

 既存の冷感材料では固体と液体に状態変化することで吸熱と放熱を繰り返し、繊維化する際は材料をマイクロカプセル化したものを繊維の中に入れ込む形が多い。この形では、繊維中に練り込むことができる量に制限があるため、温度調整機能に限界が生まれる。一方で、コンフォーマは固体を維持したまま吸熱と放熱を行えるため、繊維材料として固体のまま組み込むことができる。そのために高い温度調整機能を長く維持できることが特徴だ。また、コンフォーマ自体は温度の調整幅も自由に設定でき、さまざまな用途での活用が検討されている。今回のクーリングウェア向けに開発した素材は20〜35度で温度調整を行う。

 住友化学 取締役 兼 副社長執行役員 上田博氏は「シート型やペレット型で住宅材料や射出成形で使用するタイプなども用意しているが、今回は衣服向けで長繊維型を新たに開発した」と述べている。

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コンフォーマの温度調整機能とその他の素材の比較[クリックで拡大] 出所:住友化学

 クーリングウェアなどを展開するリベルタでは、ユタックスの多機能プリント技術を組み合わせ、衣類の裏地全面にエリスリトール、キシリトールを含有したプリントを施す特殊冷感プリントを行うことで、接触冷感機能を持つ衣類を展開。今回さらに住友化学のコンフォーマを組み合わせることで持続冷感機能なども加えることでより、冷感性能を高めた衣類として「氷撃α」として展開する。

 リベルタ 代表取締役の佐藤透氏は「冷感には主に接触冷感、持続冷感、吸湿冷感の3つがあるが、3社の共同開発により接触冷感と持続冷感を両立させ、今までにないレベルの冷感性能を実現することができた」と胸を張る。

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3社の技術の組み合わせによる冷感性能の特徴[クリックで拡大] 出所:リベルタ

 リベルタでは、2024年3月に米国法人を設立しており、この日本発のクーリングウェア「氷撃α」を中心に北米や南米、カナダなどへの海外展開を進めていく方針としている。さらに、スイス、クウェート、香港、韓国、マレーシア、インドネシアについても、市場の可能性を探りつつ、Amazon Businessのプラットフォームを活用した卸売りのテスト販売も計画する。

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サーモグラフィによる比較。右側が「氷撃α」で左が一般的な接触冷感生地。「氷撃α」の方が緑や青の部分が多く温度が低いことが分かる[クリックで拡大] 出所:リベルタ

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