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アウトガスや臭気の発生を抑えたポリエチレンフォームを開発:材料技術
古河電気工業は、アウトガスや臭気の発生を抑えたポリエチレンフォームを開発した。臭気の元となるアンモニウムや腐食性物質がほぼ発生しないため、臭気や添加物に配慮が必要な分野の梱包材などに適している。
古河電気工業は2024年4月24日、アウトガス(揮発ガス)や臭気の発生を抑えたポリエチレンフォームを開発したと発表した。
同製品は、従来の有機系発泡体フォームと比べてアウトガスが少ないことから、ガスによるガラス面などの曇りを低減できる。臭気の元となるアンモニウム(NH4+)の発生が検出限界値以下まで抑えられ、ブタン酸やプロパン酸といった腐食性物質もほぼ発生しない。
そのため、添加物や臭気の影響が懸念される医療や化粧品、半導体などの分野において、梱包材や緩衝材の素材としての応用が見込まれる。
同製品は、硬い低倍率品から柔らかい高倍率品まで、さまざまな種類を用意している。カットやラミネート、打ち抜き、成形加工などの二次加工も可能だ。ニーズに合わせて、さまざまな用途に使用できる。
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