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古河電工が植物由来ポリエチレンを100%使用した環境配慮型発泡シートを開発:材料技術
古河電気工業は、植物由来ポリエチレンを100%使用した、環境配慮型発泡シートを開発した。植物由来のポリエチレンを適用することで、バイオマス度を75%以上に高めている。
古河電気工業(古河電工)は2024年1月31日、植物由来ポリエチレンを100%使用した、環境配慮型発泡シート(Eグレード、発泡倍率30倍品)を開発したと発表した。長年にわたり培ってきた、化学架橋発泡ポリエチレンシートの製造における組成開発の技術とノウハウを活用している。
同製品は、植物由来のポリエチレンを適用することで、バイオマス度を75%以上に高めた。生産を担当するAT・機能樹脂事業部門平塚工場(神奈川県平塚市)では、2022年10月より使用電力の全てをグリーン化。植物由来ポリエチレンの使用と合わせると、同社従来品と比べて製品単位当たりで約40%のCO2排出削減効果が期待できる。
近年、環境配慮型製品に対するニーズが高まっている。それに伴い、断熱材や緩衝材として幅広く使われる化学架橋発泡ポリエチレンシートでは、環境配慮型製品の開発が課題となっている。
これまで同社は、無架橋低発泡ポリプロピレンシート「エフセル」シリーズで、再生ポリプロピレンの使用比率100%品を開発するなど、環境配慮型製品の開発を進めてきた。今回、植物由来のポリエチレン使用比率100%の発泡シートを追加したことで、カーボンニュートラル社会に向けた取り組みを加速させる。
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