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ポリプロピレンなどを選別するミックスプラスチック選別装置を導入:リサイクルニュース
日立グローバルライフソリューションズは、数種類のプラスチックが混ざっているミックスプラスチックの中からポリプロピレンなどを選別する、ミックスプラスチック選別装置を導入する。
日立グローバルライフソリューションズは2024年3月29日、数種類のプラスチックが混ざっているミックスプラスチックの中からポリプロピレン(PP)などを選別する、ミックスプラスチック選別装置を導入すると発表した。同社の栃木事業所内にある関東エコリサイクルにおいて、同年4月上旬から稼働を開始する。
プラスチックのリサイクルは、異物の除去やプラスチックの種類別に選別をすることが重要だ。複数種類のプラスチックや異物が混入すると、物性や耐久性が低下したり、外観が悪くなったりする要因となる。
使用済み家電製品のリサイクルプラントである関東エコリサイクルは、これまで手作業でPPなどを選別してきた。選別できないものは、ミックスプラスチックとして再利用している。
今回導入するのは、浮沈選別機や湿式粉砕機、ろ過装置、脱水機などで構成される選別装置だ。まず、浮沈選別機で水に沈むポリスチレン(PS)などと、水に浮くPPを選別する。その後、湿式粉砕機でポリプロピレンを粉砕、細粒化し、洗浄して品質向上を図る。
関東エコリサイクルでは、ミックスプラスチック選別装置の導入により、2024年度のPP生産量が前年の約2倍に拡大する見通しだ。同年度中には、新たな設備拡充の計画もある。
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