ニュース
次世代組み込みプロセッサ向け18nmプロセス技術、FD-SOIと相変化メモリがベース:組み込み開発ニュース
STマイクロエレクトロニクスは、18nm FD-SOI技術と組み込み相変化メモリをベースにしたプロセス技術を発表した。現行品と比較して電力効率が50%以上向上し、不揮発性メモリの実装密度は2.5倍になっている。
STマイクロエレクトロニクスは2024年3月19日、18nm FD-SOI(完全空乏型シリコンオンインシュレーター)技術と組み込み相変化メモリ(ePCM)をベースにしたプロセス技術を発表した。
18nm FD-SOIおよびePCM技術は、STマイクロエレクトロニクスとSamsung Foundryが共同開発したものだ。現行品の40nm組み込み不揮発性メモリ技術と比較して、電力効率が50%以上向上し、不揮発性メモリの実装密度は2.5倍になった。また、AI(人工知能)やグラフィックアクセラレーター、セキュリティ、安全機能などのデジタルペリフェラルの集積度が3倍に向上したほか、RFノイズが3dB改善している。
さらに同技術は、3V動作でD-Aコンバーター、パワーマネジメント、リセットシステム、クロックソースなどのアナログ機能に電源を供給できる。同社の車載アプリケーションで実証済みの、高温下での動作、放射線耐性、データ保持機能などの高い信頼性も備えており、産業向けアプリケーションの厳しい要求に応える。
同技術を用いた「STM32」マイクロコントローラーは、2024年後半に特定顧客向けサンプルの出荷を開始し、2025年後半に量産を開始する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- マイコン向けエッジAI開発ツールのソフトウェアライブラリを無償提供
STMicroelectronics(STマイクロ)は、マイコン向けエッジAI開発ツール「NanoEdge AI Studio」で開発したソフトウェアライブラリを無償提供する。全ての「STM32」マイコンで無制限に利用できる。 - AzureとマイコンのIoT接続を簡略化するソフトウェア
STMicroelectronics(STマイクロ)は、32ビットマイクロコントローラー「STM32H5」を搭載したIoT機器と、「Microsoft Azure IoT Hub」との接続を簡略化するソフトウェアを発表した。 - 画像圧縮と情報共有機能を持つ「STM32」マイコン用UIソフトウェアを発表
STマイクロは、メモリ使用量を削減する画像圧縮機能と情報共有機能を搭載した「STM32」マイコン向けUIソフトウェア「TouchGFX 4.22」を発表した。 - STM32マイコン向けに高精度電力測定可能なプログラミング/デバッグプローブ
STマイクロエレクトロニクスは、高精度な電力測定が可能なプログラミング/デバッグプローブを発表した。nAレベルから500mAまでの電流を最大±0.5%の精度で測定できる。 - 32ビットマイコン対象のエッジAI開発者向けクラウドサービスを発表
STMicroelectronicsは、組み込みAI開発者やデータサイエンティスト向けのクラウドサービス「STM32Cube.AI Developer Cloud」を発表した。汎用32ビットマイコン「STM32ファミリー」向けにオンライン開発ツールセットを提供する。 - IoT機器とクラウド間のセキュア接続を可能にするレファレンス実装を発表
STMicroelectronicsとAmazon Web Servicesは、IoT機器とAWSクラウド間を完全かつ安全に接続するため、「Arm TF-M」ベースの新しいレファレンス実装を開発した。IoT機器開発キットとして提供する。