ニュース
車載ディスプレイ向け撥水コーティングを常圧環境で連続生産可能なプリンタを開発:材料技術
三井化学は、グループ会社であるSDC Technologiesの子会社COTECが、CADIS Engineeringと、車載ディスプレイパネル向け撥水性コーティング用のデジタルプリンタを共同開発したと発表した。
三井化学は2024年3月14日、グループ会社であるSDC Technologies(SDC)の子会社COTECが、CADIS Engineering(CADIS)と、車載ディスプレイパネル向け撥水性コーティング用のデジタルプリンタを共同開発したと発表した。
COTECの超撥水コーティング材は、高い撥水性を持つ他、コーティング面の指紋、皮脂、汚れなどを簡単に拭き取れることが評価され、メガネレンズなどに採用されている。
今回のプリンタは、COTECが持つ撥水コーティング技術とCADISのデジタルプリント機器の専門的な知見を組み合わせることで、車載ディスプレイ向けの撥水コーティングを、常圧環境で連続生産できる。
加えて、スピーディーなコーティングが可能で、既存の生産ラインへの組み込みも容易だ。さらに、インクジェット技術により、大型あるいは複雑な形状のディスプレイへの高精度なコーティングにも対応する。なお、常圧環境下での印刷によりエネルギー消費量も減らせる。また、コーティング範囲を無駄なく高精度に制御できるため、材料消費量の削減、洗浄や研磨工程の省略などコスト削減のみならず、環境に配慮した工程を実現している。
2023年10〜12月には欧州の大手自動車部品サプライヤーでの実証検証を終えており、今後は本格採用に向けた取り組みを加速していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 三井化学が副業制度を正式に導入
三井化学は社員の多様な働き方促進を目的に同月から副業制度を正式導入したと発表した。 - 三井化学がアクリルアマイド製造用バイオ触媒の生産能力を増強
三井化学は、子会社のポラリスケミカルが、アクリルアマイド製造用バイオ触媒の生産能力を増強したと発表した。これにより、世界市場で堅調なアクリルアマイドの需要に応え、バイオ事業の拡大を図る。 - 三井化学が半導体製造工程用テープを増産、台湾工場での生産能力を2倍以上に
三井化学の100%子会社である三井化学東セロは2021年4月8日、半導体製造工程用テープ「イクロステープ」の生産能力増強を決定したと発表した。 - 三井化学と三菱ガス化学がバイオマスポリカーボネート製品の生産と販売を開始
三井化学と三菱ガス化学は、バイオマスポリカーボネート製品の生産および販売に向けた取り組みを開始した。三井化学がモノマー原料を供給し、それを用いたポリカーボネート樹脂の生産、販売を三菱ガス化学が担う。 - 三井化学が大牟田工場内のXDIプラントの生産能力を20%増強
三井化学は、難黄変コート用硬化剤の需要増に対応するため、大牟田工場内のXDI(メタキシリレンジイソシアネート)プラントの生産能力を増強することを決定したと発表した。 - 三井化学がTDIプラントの生産能力を年間5万tに縮小、国内外の需給動向を考慮
三井化学は大牟田工場内にあるトルエンジイソシアネートプラントの生産能力を2025年7月に縮小する。