三井化学は2024年1月31日、社員の多様な働き方促進を目的に同月から副業制度を正式導入したと発表した。
同制度に関して、適用範囲は実務経験3年未満の社員や一部対象者などを除く三井化学本体社員(国内在勤者)としている。
加えて、「同社業務を主業務とし、同社業務に支障が出ない範囲で副業に従事すること」「多様な経験を積むことによる、能力開発、視野拡大、人脈形成に努め、副業を通じて得られた能力等を同社業務においても積極的に発揮すること」「同社社員としての体面を汚すことの無いよう、副業時も法令・良識に則(のっと)って、誠実に行動すること」の3点を順守の上で、副業の従事を認めるとする。
なお、同社は、「三井化学グループ人材マネジメント方針」に基づき、人事施策を通じた人的生産性の最大化および職務遂行を通じて得られる満足度(エンゲージメント)の最大化を目指している。
社員の多様な働き方に対応し、各人のエンゲージメントや組織としてのチーム力を維持/強化するために、「自主・自律・協働」を基本方針に、「新しい働き方」の実現を順次、施策として展開中だ。その施策の1つとして副業制度を導入することで、社員が自主的に社外で多様な経験を積み、自身の視野拡大/能力開発に努めることを期待している。
副業制度導入までの経緯
同社では、2017年から自主・自律・協働を基本方針とする働き方改革を進めている。2017〜2019年にかけて主に「働き方の効率化」を目指し、超過勤務の削減、休暇取得の促進に力を入れてきた。2020年からは「エンゲージメント向上」を目的に、テレワーク拡大や服装自由化、新業績評価制度などさまざまな施策を推進中だ。
副業制度については、社員の自主的な経験拡大と、能力開発による当社競争力向上を目的に、2021年1月より管理社員を対象としたトライアルを開始した。その後、対象枠を一般社員まで拡大してトライアルを継続した結果、2023年12月時点で70件余の届け出があり、副業実施者とその上司からのヒアリングなどを通じて、自律的なキャリア形成への貢献を把握できたため、2024年1月から副業を正式制度として実施することにした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- GPTとAIを融合し、新規用途探索の高精度化と高速化を図る実用検証を開始
三井化学と日本IBMは、GPTと同社のAI「IBM Watson」を組み合わせ、三井化学の製品開発における新規用途探索を高精度化、高速化する実用検証を開始した。GPTに対する指示を新規用途探索に合わせて洗練させ、注目すべき新規用途候補を特定、抽出する。 - 三井化学がTDIプラントの生産能力を年間5万tに縮小、国内外の需給動向を考慮
三井化学は大牟田工場内にあるトルエンジイソシアネートプラントの生産能力を2025年7月に縮小する。 - 三菱ケミカルグループと三井化学、化学品物流の標準化の共同検討開始
三菱ケミカルグループと三井化学は、化学品物流の標準化や効率化に向けた共同検討を開始した。物流業界の人手不足などによる輸送、保管能力不足に対応する狙いだ。 - 三井化学と三菱ガス化学がバイオマスポリカーボネート製品の生産と販売を開始
三井化学と三菱ガス化学は、バイオマスポリカーボネート製品の生産および販売に向けた取り組みを開始した。三井化学がモノマー原料を供給し、それを用いたポリカーボネート樹脂の生産、販売を三菱ガス化学が担う。 - 三井化学がアクリルアマイド製造用バイオ触媒の生産能力を増強
三井化学は、子会社のポラリスケミカルが、アクリルアマイド製造用バイオ触媒の生産能力を増強したと発表した。これにより、世界市場で堅調なアクリルアマイドの需要に応え、バイオ事業の拡大を図る。 - 廃プラ分解油から基礎原料を製造し、化学品やポリマーに再生
三井化学は、廃プラスチック分解油を用いたケミカルリサイクル製品の生産を開始する。廃プラ分解油をクラッカーに投入して製造した基礎原料からは、これまでリサイクル品の利用が難しかった用途にも利用可能な誘導品を生成できる。