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金属材料の新規探索や加工技術の創出を目指し、産学共創の研究所を開設:研究開発の最前線
東北大学とSWCCは、産学共創の研究施設「SWCC×東北大学高機能金属共創研究所」を開所した。同大学の制度を活用し、仙台市青葉区の同大学片平キャンパス内に拠点を設ける。
東北大学とSWCCは2024年2月5日、産学共創の研究施設「SWCC×東北大学高機能金属共創研究所」を、同月1日に開所したと発表した。共同研究や人材育成などの共創活動を推進する同大学の制度を活用し、宮城県仙台市の同大学片平キャンパスの金属材料研究所内に拠点を設ける。設置期間は、2027年3月31日までの予定だ。
電線やケーブルの製造および加工を主な事業とするSWCCは、モビリティ用ヒーター線などの銅合金製品を、宮城県柴田町にある仙台事業所で開発および製造している。
共創研究所の設置により、同社の開発から製造までのプロセスと、同大学が保有する物質や材料に関する研究資源が、仙台地区に集約されることとなり、銅合金を中心とした金属材料の新規探索や加工技術の創出が期待される。
本研究所には、双方の研究者が多数参加し、研究開発にとどまらない幅広い共創活動を企画、遂行する。両者はこれらの取り組みを通して、次世代につながる研究人材を育成する場としても活用する考えだ。
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