AI×設計・解析の未来を示す「Magic SOLIDWORKS」についてシャーレス氏が言及:3DEXPERIENCE World 2024(2/2 ページ)
SOLIDWORKSと3DEXPERIENCE Worksの年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2024」が米国テキサス州ダラスで開幕した。本稿ではダッソー・システムズ、SOLIDWORKSおよび3DEXPERIENCE Worksのキーマンの発表内容を中心に、1日目のゼネラルセッションの模様をダイジェストでお届けする。
SOLIDWORKSの次の25年をけん引する3DEXPERIENCE Works
再度登壇したバッシ氏は、あらためて25年前を振り返り、当時、複雑で高価といわれていた3D CADの常識を覆して、設計者の頭の中のアイデアを身近なコンピュータで表現できるようにし、設計者からの支持を獲得していったSOLIDWORKSの軌跡について触れ、「コミュニティーが誕生して、互いに尊敬し合い、信頼関係を構築できたことがこの25年間での最高の成果だ」(バッシ氏)と語る。
そして、「再びSOLIDWORKSは、次の25年に向けて新しいビジョンを提供する」(バッシ氏)とし、クラウド上の3DEXPERIENCEプラットフォームとの連携によりSOLIDWORKSの機能を大きく拡張する3DEXPERIENCE Worksがその役割をけん引することを強調。その扉を開くきっかけとして、2023年7月からデスクトップ版SOLIDWORKSのライセンスを新規購入したユーザー向けに、クラウド上の3DEXPERIENCEプラットフォームに接続するための機能「Cloud Services」を提供している(日本では2023年10月から提供)。
なお、ゼネラルセッションのステージでは3DEXPERIENCE Worksのユーザーとして、生産設備の設計、製作を手掛ける長野オートメーション(長野県)と、水素バスを手掛ける独ARTHUR BUSの紹介があった。
ケイデンスとの協業やクラウドベースのエレメカ設計環境などを発表
続いて登壇したダッソー・システムズ SOLIDWORKS CEO 兼 R&D担当バイスプレジデントのマニッシュ・クマー氏からは、SOLIDWORKSとクラウド活用の方向性、新たな協業、新機能などについてのアナウンスがあった。
SOLIDWORKSとクラウド活用の方向性については、「SOLIDWORKSを用いたコラボレーション要求を次の段階に押し上げるためのアプローチ」(クマー氏)として、“WITH the cloud(クラウドと一緒に使う形態)”と“ON the cloud(クラウド上で使う形態)”の2つのスタイルが用意されていることをあらためて紹介。前者はデスクトップ版のSOLIDWORKSとCloud Servicesとの組み合わせ、あるいはクラウド接続版SOLIDWORKS(3DEXPERIENCE SOLIDWORKS)のことを指している。そして、後者はフルクラウド版(Webブラウザベース)の設計環境として提供されている「SOLIDWORKS CLOUD」のことを意味している。
さらに、新たな展開として、Cadence Design Systems(以下、ケイデンス)とのパートナーシップについての発表があった。3DEXPERIENCE SOLIDWORKSと、ケイデンスのPCB設計ソフトウェア「OrCAD X」およびデザインプラットフォーム「Allegro X」を統合することで、電気機械システムのバーチャルツインを実現し、エレメカ協調設計におけるコラボレーションエクスペリエンスを提供するとしている。なお、今回の協業に基づく共同ソリューションは「2024年7月ごろに提供予定だ」(ケイデンス R&D担当 バイスプレジデントのマイケル・ジャクソン氏)という。
そして、注目の新機能に関しては、エレメカ設計の民主化に寄与するフルクラウドの設計機能(ロール)「3D Mechatronics Creator」と、2D図面の作成や編集が可能な「DraftSight」のWebブラウザ版「DraftSight Creator」、教育機関(教員)向けに提供する「Teacher Experience」の他、オリジナル家具のデザインに特化した「MakeByMe」に実装されたAIによる家具(本棚、コーヒーテーブル)の自動生成機能についての紹介があった。
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