最新版「SOLIDWORKS 2024」の機能強化ポイントは!? クラウド活用もより身近に:CADニュース(1/2 ページ)
ソリッドワークス・ジャパンは、2023年10月からデスクトップ版SOLIDWORKSユーザー向けに提供開始している「Cloud Services」の紹介と、最新版「SOLIDWORKS 2024」のアップデート内容に関する記者説明会を開催した。
ソリッドワークス・ジャパンは2023年10月31日、3D設計ソリューション「SOLIDWORKS」の最新情報と「SOLIDWORKS 2024」のアップデート内容に関する記者説明会を開催した。
デスクトップ版SOLIDWORKS向けに「Cloud Services」の提供開始
現在、同社はデスクトップ版SOLIDWORKSと、ダッソー・システムズが提供するクラウド基盤「3DEXPERIENCEプラットフォーム」との接続利用を前提とした「3DEXPERIENCE SOLIDWORKS」(クラウド接続版SOLIDWORKS)を展開している。後者は、定評のあるデスクトップ版SOLIDWORKSの使い勝手はそのままに、クラウド上の3DEXPERIENCEプラットフォームを介して、ダッソー・システムズの豊富なアプリケーションや機能群を活用したり、シームレスなデータ連携を行ったりなど、SOLIDWORKSの機能を拡張するより高度な設計開発環境を提供する。
同社は、このプラットフォームの価値をデスクトップ版SOLIDWORKSユーザーに提供するためのアプローチとして、2023年10月からSOLIDWORKSのライセンスを新規購入したユーザー向けに「Cloud Services」の提供を開始している(既存ユーザーは保守契約の更新タイミングで選択可能)。
Cloud Servicesとは、デスクトップ版SOLIDWORKS(3D CAD)からクラウド上の3DEXPERIENCEプラットフォームに接続して共同作業を実現するもので、設計データの「共有とマークアップ」「保存と改訂」「管理とコントロール」の3つの機能を提供する。これらの機能は、デスクトップ版SOLIDWORKSを3DEXPERIENCEプラットフォームに接続するためのコネクター「Collaborative Designer for SOLIDWORKS」、プラットフォーム上でのコラボレーションスペースやデータ管理などを実現する「Collaborative Industry Innovator」、クラウドストレージやコミュニケーションツールなどを含む「3DSwymer」の3つのロールをセットで提供することで実現している。
実は、これまでもCollaborative Designer for SOLIDWORKS、Collaborative Industry Innovator、3DSwymerのロールは存在していたが、バラバラで提供されていたという。「今回これらをセットにし、『Cloud Services』という名称でデスクトップ版SOLIDWORKSユーザーに提供することとなった」とソリッドワークス・ジャパン 3DEXPERIENCE WORKS 営業技術部 部長の赤代政宏氏は説明する。
共有とマークアップでは、デスクトップ版SOLIDWORKS(3D CAD)のメニュー上にある「ファイルを共有」をクリックするだけで、クラウド上の3DEXPERIENCEプラットフォームに保存されているファイル(設計データ)へのリンクを含む共有メールの作成と送信を自動化してくれる。メールを受け取った社内外の関係者は、Webブラウザ上で共有された設計データを閲覧でき、測定したり、マークアップやコメントを付加して設計者にフィードバックしたりすることができる。
保存と改訂では、CADデータ特有の構造や関連性を保ちながら、デスクトップ版SOLIDWORKS(3D CAD)から直接、設計データを3DEXPERIENCEプラットフォーム上のオンラインストレージに保存することが可能だ。共同作業者がいる場合には設計をロックして意図しない上書きを防止できる。また、朱書きや寸法、注釈を用いて3Dマークアップの作成も行える。PDMの基本機能を有しており、版数管理や設計変更前後での差分比較なども可能となっている。「設計現場では、目的の設計データがなかなか見つからなかったり、設計データを誤って上書き/削除してしまい再作成したりするなど、データ管理にまつわるトラブルに多くの時間を費やしているケースが見られる。そういった付加価値を生み出さない作業をクラウドによるデータ管理で解消し、本来業務に集中してイノベーション創出につなげられる環境を提供する」(赤代氏)。
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