セル領域に適応、デジタルツイン環境構築を支援するエンジニアリングツール:FAニュース
安川電機は、セル領域に適応し、デジタルツイン環境の構築を支援するエンジニアリングツール「YASKAWA Cell Simulator」の販売を開始した。バーチャル環境を活用して、一気通貫でエンジニアリングできる。
安川電機は2023年11月29日、装置や産業用ロボットなどで構成されたセル領域に適応し、デジタルツイン環境の構築を支援するエンジニアリングツール「YASKAWA Cell Simulator(YCS)」の販売を開始した。
YCSは、バーチャル環境を活用して、一気通貫でエンジニアリングできるツール。「セルのエンジニアリング」「セルの動作分析」「セルの再計画」の3つの特徴を有する。
セルのエンジニアリングでは、セルの構造をバーチャル環境上で検討、決定し、セルの設計や現場での立ち上げ工数を削減する。同時にデータを基に自律分散型セルシステムを立ち上げ、バーチャル環境においてセル内機器の接続設定からセル全体の動作確認までを一気通貫で実施するため、設定や調整作業を簡素化できる。
セルの動作分析では、バーチャル環境上の理想の計画データと現場から収集したリアルな実績データの差異を確認し、差異が発生した要因を分析できる。この確認機能を活用し、YCSのバーチャル環境で作成した理想の時系列データと可視化ツール「YASKAWA Cockpit(YCP)」で取得したリアル環境の時系列データを比較、分析することで、動作の最適化や異常の早期発見に生かせる。
セルの再計画では、リアル環境のデータを基に動作を再計画する。セルのエンジニアリング機能とリアル環境との差異が少ないバーチャル環境を用いれば、バーチャル環境でもリアル環境でのエンジニアリングと同等の作業が可能になる。
さらに、YCSのシミュレーションは周辺機器の応答特性を再現しているため、デジタルツインとして、よりリアル環境に近い検証が実施できる。段替えや変更が容易になり、ロボットの停止時間や保守点検などによる停止時間を削減する。
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