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セラミックコンデンサーの開発力向上や技術者育成を目的に研究開発拠点を新設:材料技術
村田製作所の子会社となる福井村田製作所が、研究開発拠点「セラミックコンデンサ研究開発センター」を新設する。セラミックコンデンサーの開発力向上や技術者の育成を目的とする。
村田製作所は2023年11月6日、子会社の福井村田製作所(福井県越前市)が、研究開発拠点「セラミックコンデンサ研究開発センター」を新設すると発表した。主力事業となる、セラミックコンデンサーの開発力向上や技術者の育成を目的に設立する。
新施設の建設予定地は福井県越前市大屋町で、北陸新幹線の金沢−敦賀間で新設される越前たけふ駅の駅前に位置する。投資総額は土地、建物費用として約350億円を見込み、鉄骨造の地上5階建て、延床面積4万2071m2の建屋を建設する。着工は2023年11月、完工は2026年1月を予定し、同年4月に開業を目指す。
従業員数は将来的に約800人を予定しており、研究開発用フロアを設け、新商品や新たな生産プロセスの開発に特化した環境を整える。これにより、モノづくり力を強化したい考えだ。
エネルギー消費量を国が定めた基準値より40%以上削減する「ZEB Oriented」の達成に向け、建屋の外壁やサッシに断熱性能の高い製品を使用したり、稼働状況に連動した照明や空調の制御、太陽光発電設備を導入する。また、地域との共生を図る取り組みとして、5万5075m2の敷地には、地域住民が利用できる緑地を整備し、災害時や帰宅困難者発生時の受け入れを検討している。
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