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パナソニック、RE100ソリューションの欧州展開目指し英国電子レンジ工場で実証パナソニックRE100ソリューション(前編)(2/2 ページ)

パナソニックは2023年11月14日、自社で展開するRE100ソリューションを活用し、電子レンジなどの製造と販売を行うパナソニック マニュファクチャリング イギリスで、自家発電により事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄う電力需給運用実証を2024年に開始すると発表した。

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英国電子レンジ工場でRE100ソリューションの実証を開始

 パナソニックでは、これらの仕組みをグローバルで展開することを想定しており、今回英国カーディフの電子レンジ工場であるPMUKで実証を行うことを決めた。加藤氏は「欧州では地政学的問題からエネルギーセキュリティについての意識が高く、潜在的な需要があると考えている。ただ、まだ水素を組み合わせた分散型電源システムへの認知はそれほどないため、実現できることを見せていくことで浸透を図りたい」と加藤氏は語る。

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PMUKでの実証施設における導入イメージ[クリックで拡大] 出所:パナソニック

 PMUKでの実証は2024年秋に開始予定としている。5kWタイプの純水素型燃料電池21台(合計出力105kW)、太陽電池(290kW)、蓄電池(1MWh)の設備を新たに導入する。英国カーディフでの気象変化や電力事情に応じた電力需給運用を検証する。純水素型燃料電池を活用することで、設置スペースの削減や安定電源の確保だけでなく、水素発電時に発生する熱を暖房や給湯にも利用する。PMUKでのRE100ソリューションの実証を通じ、地域特性に最適なソリューションを開発するとともに、水素事業に関連する現地パートナー企業やビジネス顧客との関係構築を進めていくという。

 対象拠点となる電子レンジ製造工場は、工場建築面積が約2万2000m2で、ピーク電力が約280kW、年間消費電力が約1GWhとなっている。先行した草津では熱利用についてはまだこれから検証を始めるという段階だが、カーディフ工場では最初から電気利用と熱利用の両方の検証を行うという。「日本での実績はあるがまた新たな形での実証となるので、いろいろ試す必要がある」(加藤氏)。また、今後は英国に次いでドイツでの実証なども検討しているという。

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今後の共創やエコシステムの展開イメージ[クリックで拡大] 出所:パナソニック

 パナソニックのRE100ソリューションは技術的にはある程度確立されているが、実際の事業として成立するようになるのは2030年前後だとされている。「水素の供給体制やコストの問題など解決が必要な課題が残されており、こうした課題は1社だけでは解決できない。さまざまなパートナーとの共創や政府、業界団体などとの協力により、少しずつ水素利用が現実的な環境に近づけていきたい」と加藤氏は語っている。

後編に続く)

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