改めて品質第一を訴える日野自動車、物流2024年問題への対応で子会社が存在感:ジャパンモビリティショー2023
日野自動車が「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」でプレスカンファレンスを開催。重視する「総合品質」を訴えるとともに、カーボンニュートラルへの貢献や、2024年問題に代表される人流/物流の課題解決への取り組みを紹介した。
日野自動車は2023年10月25日、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー、旧東京モーターショー)」(プレスデー:2023年10月25日〜26日、一般公開日:10月28日〜11月5日、東京ビッグサイト)でプレスカンファレンスを開催した。
同プレスカンファレンスに登壇した同社 代表取締役社長の小木曽聡氏は「2023年4月に公表した『目指す姿』の中で掲げているのが『総合品質』だ。お客さまの稼働を支えるトータルサポートと、お客さまの使い方に最適な商品の2つを掛け合わせた総合品質で、お客さまに誠実に向き合い、お客さまのビジネスを徹底して支えていく」と語る。具体的な施策としては、クルマの故障を未然に防ぐためのコネクテッド技術を活用した予防整備の導入の他、故障が発生した場合に24時間体制で緊急対応を行うサービス、自動車メーカーの中でもいち早く設置した「お客様テクニカルセンター」におけるさまざまな講習会などを挙げた。2022年3月に発覚したエンジン認証不正からの信頼回復の途上にある同社として、品質を第一とする姿勢を見せた格好だ。
商用車メーカーとしてはカーボンニュートラルへの貢献と、2024年問題に代表される人流/物流の課題解決にも取り組まなければならない。カーボンニュートラルへの貢献では、EV(電気自動車)とFCV(燃料電池車)の他、内燃機関におけるカーボンニュートラル燃料の使用を含めてマルチパスウェイで取り組む姿勢を示した。関連の展示となるのが、小型EVトラック「日野デュトロ Z EV」と、大型FCVトラック「日野プロフィア Z FCV プロトタイプ」だ。
人流/物流の課題解決では、日野自動車グループ傘下のNEXT Logistics Japan 代表取締役社長兼CEOの梅村幸生氏が登壇し、ダブル連結トラックを用いて高効率の物流を目指す同社の取り組みを紹介した。世界最大級となる150m3のダブル連結トラックは、1人のドライバーで大型トラック2.5台分の荷物を運ぶことが可能だ。また、世界初とする自動割り付け/積み付けシステム「NeLOSS」は、量子コンピュータを使って従来2時間かかっていた割り付け/積み付け業務を約40秒で自動算出できるという。
国内で運用されるトラックの積載率は40%を切るとも言われており、物流2024年問題の解決には積載率の向上が欠かせない。NEXT Logistics Japanのダブル連結トラックは、業種や業態を超える形で共同配送を行うことで65%という積載率を実現している。梅村氏は「2019年12月の事業開始から4年間で着実に社会課題解決に寄与していると実感している。この自動車メーカー発の取り組みを社会全体に広げて、物流に関わる社会課題の解決を前に進めていきたい」と述べている。
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