1台で切断/溶接/積層造形が可能に、青色レーザーでEV向け銅などの加工にも対応:第23回 Photonix
アマダは光技術関連の展示会「第23回 Photonix」において、3次元レーザー統合システム「ALCIS 1008e」を披露した。発売は2024年を予定している。
アマダは光技術関連の展示会「第23回 Photonix」(2023年10月4〜6日、幕張メッセ)において、3次元レーザー統合システム「ALCIS 1008e」を披露した。発売は2024年を予定している。
最大3kWのブルーレーザーとファイバーレーザー発振器を搭載
ALCIS(Advanced Laser Cube Integrated System)は切断、溶接、AM(Additive Manufacturing、積層造形)を1台で可能にする機械だ。
最大3kWのブルーレーザー発振器と、同じく3kWのファイバーレーザー発振器を搭載でき、EV(電気自動車)関連で需要が高まる銅などの高反射材の加工にも対応する。ブルーレーザーはファイバーレーザーに比べてレーザーの波長が短く、銅に対する吸収率も10倍以上高い。そのため、EVのモーター、インバーター、バッテリー関連などで広く利用される銅などの高品質な加工が可能になる。
3Dヘッドは、ボルトを外せば切断、溶接、積層造形用のトーチに手作業で容易に交換できる。溶接トーチは加工用途や材質に応じて選択でき、スキャナーヘッドが搭載可能な仕様では高速溶接に対応する。
積層造形ではパウダーDED(Directed Energy Deposition)方式を採用した。日中は切断や溶接に活用し、作業者がいない夜間は金属3Dプリンタとして活用することもできる。「レーザーを使ったほぼ全ての加工に対応できることが大きなメリットだ。試作が中心のユーザーなどに便利に使ってもらえるのでは」(アマダの説明員)。
テーブルは回転できる2軸ポジショナーテーブルやパイプ加工向けのパイプインデックス、平板切断テーブルが選択できる。
NC装置は顔認証も可能な「AMNC 4ie」を搭載。カメラで撮影したワーク画像からAI(人工知能)と画像処理でワークの位置ずれを自動補正する新機能「AI位置補正システム」を備えている他、同社の最新CAD/CAM「VPSS 4ie」でオフラインプログラム作成できる。
レーザーウエルドモニター「MM-L400A」を搭載しており、加工中の光をセンシングすることで溶接品質の測定、記録、良否判定が可能だ。保護ガラスの汚れを監視するシステムも
会場に参考出品したALCIS 1008eの仕様は本体サイズが2200×2535×2700mmで、軸移動量はX/Y/Z軸が1000×800×500mm、V/U軸が±370度/±135度、X/7/Z軸の早送り速度は毎分50mとなっている。
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