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進化した「My V-factory」で工場はどう変わる? アマダが強める技術指向【後編】FAニュース(1/2 ページ)

アマダは神奈川県伊勢原市の本社敷地内に「Amada Global Innovation Center」(AGIC)を開所した。本稿では、後編としてアマダの最新IoT(モノのインターネット)ソリューションなどを展示する「Engineering FIELD」を中心にAGICを紹介する。

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 アマダは2023年2月3日、神奈川県伊勢原市の本社敷地内に「Amada Global Innovation Center」(AGIC=エージック)を開所した。本稿では、後編としてアマダの最新IoT(モノのインターネット)ソリューションなどを展示する「Engineering FIELD」を中心にAGICを紹介する。

 アマダでは、通信ゲートウェイ「V-factory Connecting Box(VCBox)」を用いたIoTソリューション「V-factory」を2018年から提供している。V-factoryは、機械の稼働状態や生産、稼働実績、材料の使用量、健康状態などを見える化する「My V-factory」や、IoTを活用した遠隔による「IoTサポート」などから成り立っている。およそ2000社、5000台の機械が既にアマダとつながり、さまざまなデータから異常の有無や不具合の予兆をアマダがチェックしている。現在、販売されている機械にはVCBoxは標準で搭載されており、ユーザーが希望すれば利用できる仕組みになっている。IoTサポートを行うスタッフは、AGICの3階で業務を行っている。アマダ 代表取締役社長の磯部任氏は「今後2、3年で5000社まで広げたい」と語っている。

ユーザーとアマダをつなげて改善を提案

 Engineering FIELDでは、進化したMy V-factoryとして「My V-factory 2.0」を紹介している。

 My V-factory 2.0の新たな「デジタルツインサービス」では、測量などにも用いられる3次元レーザースキャナーを使って工場内の複数箇所を撮影し、そこで得られた膨大な数の3次元座標を持った点群データにIoTのデータを組み合わせて、工場の空間をデジタルツイン化する。機械の稼働状況に加えて、さまざまなIoTセンサーを通して温度や湿度、電力消費量、CO2濃度、粉じん量なども合わせてMy V-factory 2.0の画面の中に表示できるようになる。

「例えば、そのデータを自社のWebサイトに公開してバーチャル工場見学や他社との差別化に利用できる他、求人にも活用できる。われわれとしても、距離が測れるので工場の高さや柱の位置が分かり、精密な工場レイアウトの基でユーザーと設備の検討ができる」(アマダ)

3次元レーザースキャナーを使って
3次元レーザースキャナーを使って工場をデジタルツイン化[クリックで拡大]

 IoT機器を利用して手持ちのレーザー溶接の作業効率を改善するソリューションも展示している。「溶接作業を分析すると実際に溶接している時間は短い。その前の段取り時間が8割ほどを占めている」(アマダ)。そこで、カメラで作業の様子を撮影して、骨格検出などを用いて段取り時間を自動分析し、どんな作業で手間取っているのか原因を究明、前工程などでの改善提案にむすびつける。


ハンディレーザー溶接スターターセット[クリックで拡大]

 IoTを活用することで、製品を吸着して搬送するTKのエラーをなくし、複合機の安定加工を実現する「TKプロセット」なども展示している。「これまでも、金型やソフトウェア単独で提供してきたが、それではユーザーは自ら課題に気付き、“この製品が欲しい”と言って初めて買える。そこまで情報通のユーザーはなかなかいない。本当はあれば便利なのに、気付ずにいるソリューションがたくさんある。それらをIoTの力でつないでいく」(アマダ)。

複合機の安定加工を実現するTKプロセット
複合機の安定加工を実現するTKプロセット[クリックで拡大]

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