リチウムイオン電池の発火や焼損耐性などを評価できる新サービス:材料技術
OKIエンジニアリングは「リチウムイオン電池および電池搭載機器の発火・焼損耐性、延焼性評価サービス」を開始すると発表した。
OKIグループで信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOKIエンジニアリングは2023年9月25日、「リチウムイオン電池および電池搭載機器の発火・焼損耐性、延焼性評価サービス」を同月26日に開始すると発表した。ウェアラブル機器などへのリチウムイオン電池の採用を検討する企業にサービスを提供し、安全性が高い電池の採用を支援して、年間5000万円の売り上げを目指す。
焼損時に発生したガスの成分分析にも対応
ウェアラブル機器やスマートフォン、モバイルバッテリーなど、リチウムイオン電池を搭載した機器の市場は拡大しており、機器の使用の長時間化に伴い、搭載されるリチウムイオン電池の容量も増加している。一方、リチウムイオン電池は、製品品質や使用環境などにより、発火/焼損に至る危険性があることが知られており、電池容量の増加に伴い、発火/焼損発生時の被害も大きくなると想定されている。
そのため、リチウムイオン電池を採用する企業からは、実使用環境を想定した、電池および電池搭載機器の発火/焼損への耐性や延焼性(燃え広がり易さ)の確認に対する要望が増加している。
そこで、新サービスでは、6000mAh以下のリチウムイオン電池および電池搭載機器に対し、外部応力(クギ差し/圧壊)、過充電、外部加熱といった負荷を与え、どの程度の負荷をかけると発火/焼損が発生するか、発火/焼損が発生した際にどのような状態になるかを確認することで、電池と電池搭載機器の発火/焼損耐性や延焼性を評価する。また、焼損時に発生したガスの成分分析にも応じる。
OKIエンジニアリングでは、2023年1月から提供している「リチウムイオン電池の良品解析サービス」の一環として、評価時の安全性の観点から2000mAh以下のリチウムイオン電池に限定して、過充電や外部加熱による負荷を与えることで、電池がどのような挙動を示すかを確認する評価を行ってきた。
今回は、より大きな電池容量への対応や、外部応力を負荷した際の評価実施への要望を受け、こうした評価が可能な独自仕様の電池評価槽を導入し、これまでに蓄積したリチウムイオン電池の評価/解析の知見を基に、新サービスの提供を実現した。
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