統合効果で国内トップへ、高付加価値プリント配線板のOKIサーキットテクノロジー:製造マネジメント インタビュー(1/2 ページ)
OKIの子会社で、高付加価値プリント配線板(PCB)の設計と製造を行うOKIサーキットテクノロジーとOKIプリンテッドサーキットは2021年4月に統合し、新生OKIサーキットテクノロジー(以下、OTC)としてスタートを切った。OTC 代表取締役社長の森丘正彦氏に話を聞いた。
OKIの子会社で、高付加価値プリント配線板(PCB)の設計と製造を行うOKIサーキットテクノロジーとOKIプリンテッドサーキットは2021年4月に統合し、新生OKIサーキットテクノロジー(以下、OTC)としてスタートを切った。国内の高付加価値PCB市場でトップシェアを目指すとする同社の新たな取り組みについて、OTC 代表取締役社長の森丘正彦氏に話を聞いた。
高付加価値PCBの国内トップに
MONOist 2022年4月1日に新生OTCとしてスタートを切りました。現状までに統合に向けた取り組みはどのように進めていますか。
森丘氏 まず取り組んだのは営業部門における役割の整理だ。拠点や顧客などもバラバラで、担当者の重複や抜けなどもあったため、顧客基軸でアカウントマネジャーを設置し編成し直した。これにより、旧OKIサーキットテクノロジーと旧OKIプリンテッドサーキット(OPC)の持つそれぞれの顧客に対し、従来にない新たな価値を提供できるようになったことを訴求しているところだ。
例えば、OPCの顧客に対し、OTCの持つ信頼性の高い宇宙・防衛分野のノウハウを訴えたり、小ロットでもリードタイムを短く試作提供できる利点を売り込んだり、そういう相互作業を進めている。統合前はそれぞれ100億円前後と80億円前後の売り上げ規模だったため、統合効果も生かし、早いタイミングで200億円を達成するのが目標だ。
MONOist 相乗効果という点であらためて、旧OTCと旧OPCの強みをどう考えていますか。
森丘氏 どちらも高付加価値のPCBの設計、製造に特化しているという意味では近いが、旧OTCである鶴岡工場は、航空宇宙向けの実績などもあり、より少量多品種の基板開発と製造が得意だ。こうした少量品の試作などにも慣れており、よりリードタイムを短く、試作開発などが行える。基板開発に悩みを抱える企業に対し、共に課題解決を図るような提案ができると考えている。一方で旧OPCである上越工場は、鶴岡よりは数量の多い製造が行える点と、高多層化基板が得意な点が特徴だ。102層以上の多層化基板にも対応できる。新たな開発を鶴岡側のリソースを生かして行い、量産を上越側で行うというような使い方も可能だと考えている。
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