高付加価値PCBの国内市場トップを狙うOKI、子会社2社を合併し新会社を設立:製造マネジメントニュース
OKIは2020年10月19日、プリント配線板関連事業を展開するOKIサーキットテクノロジー(以下、OCT)とOKIプリンテッドサーキットを経営統合して新会社を設立すると発表した。新会社の設立日は2021年4月1日を予定。合併によって、高付加価値プリント配線板の国内市場トップシェアの獲得を狙う。
OKIは2020年10月19日、プリント配線板関連事業を展開するOKIサーキットテクノロジー(以下、OTC)とOKIプリンテッドサーキット(以下、OPC)を経営統合して新会社を設立すると発表した。OTCが存続会社となり、OPCを吸収合併する形となる。新会社の設立日は2021年4月1日を予定。資本金は4.8億円で、従業員数は739人になる見通しだ。
今回の経営統合を通じて、OKIは高付加価値プリント配線板の国内市場トップシェアの獲得を狙う。
現在、OKIはシステム事業で培った高度な生産技術と信頼性をベースに、ハイエンド型生産受託(EMS)事業に注力しており、これを成長分野として位置付けている。中でも成長を加速させる主力製品として期待を寄せるのがプリント配線板だ。
現在、国内のプリント配線板市場では、低価格帯の低層板に対する需要は減少傾向にある。一方で、開発/製造に高度な技術力が求められる高付加価値な大型/高多層板市場は需要が拡大しており、市場成長が続いている。こうした動向を背景に、EMS事業のさらなる成長には、高付加価値なプリント配線板を設計、開発、生産するための事業体制強化が重要だと判断したという。
OTCは発熱対策を講じた高放熱プリント配線板や、高屈曲性を持つフレックスリジッド配線板などを、設計から生産まで一貫して手掛ける高度な技術力を持っている。また、OPCは高多層積層や高精細穴開けといった高度な技術とシミュレーションを組み合わせることで、半導体検査装置や高速伝送装置に用いるプリント配線板の生産を行っている。
こうした両社の技術力や製造リソースに加えて、営業力なども融合させることで、プリント配線板に関連する事業規模の拡大を図る。新商品の開発速度向上や商品ラインアップの強化が期待できる他、上流である設計段階から一貫受注可能な案件の範囲が拡大することで競争力も向上するという。
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