クラシックカーをEVに改造、グローバル市場は2035年に55兆円へ:電動化
SDKIはクラシックカーのエンジンを電動パワートレインに置き換えた「電動クラシックカー」の市場調査の結果を発表した。
SDKI(渋谷データカウント)は2023年8月21日、クラシックカーのエンジンを電動パワートレインに置き換えた「電動クラシックカー」の市場調査の結果を発表した。
電動クラシックカーのグローバルでの市場規模は2022年に1090億米ドル(約15兆8600億円)で、年平均11%で成長して2035年には3813億米ドル(約55兆4800億円)に市場規模が拡大すると見込む。
電動クラシックカーの市場をアプリケーション別にみると、観光地や大型遊園地、クラシックカーを保存する愛好家グループなどに分類される。環境意識の高まりや環境規制の強化によりEV(電気自動車)への移行が進む中、愛好家などが電動クラシックカーへの改造を進めている。
英国では、エンジン車やハイブリッド車(HEV)の販売規制の計画を受けて電動クラシックカーへの改造が増加した。また、米国などでのオープンカー(コンバーティブル)に対する堅調な需要を受けて、コンバーティブルの電動クラシックカーが市場をけん引する。
EVの部品交換のメンテナンスなど維持費が安価であること、バッテリーの性能向上によって走行距離が伸びたことなども、電動クラシックカーへの改造を後押ししているという。ただ、バッテリーによる走行距離の制約は依然として電動クラシックカー市場の制約になっている。
地域別では、北米は持続可能性を重視するトレンドを受けて電動クラシックカーで最大のシェアをキープすると見込む。規制が電動クラシックカーを含めたEVの導入を促進していることも後押ししている。アジア太平洋地域でも電動クラシックカーの市場が成長する。EVを含め自動車に関わる企業が多いことが貢献するという。
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