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全固体はHEVではなくEVで、トヨタが技術開発の進捗を発表電動化(1/2 ページ)

トヨタ自動車が電動化や知能化に向けた技術開発の取り組みを発表した。

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 トヨタ自動車は2023年6月13日、電動化や知能化に向けた技術開発の取り組みを発表した。

 同年4月1日付で社長に就任した佐藤恒治氏の新体制では、電動化だけでなく、クルマの知能化や多様化の領域でも進化させていくことで、モビリティカンパニーへの変革を目指している。また、EV(電気自動車)の専任組織「BEVファクトリー」の発足や、2026年までにEV10車種を新規導入すること、年間150万台の販売を目指すこと、2026年に次世代EVを導入することなども発表済みだ。

2026年に登場する次世代EVは1000km走る

 今回、2030年におけるEVのグローバル販売目標である350万台のうち、BEVファクトリーが170万台を供給することを明らかにした。

 2026年に導入する次世代EVは1回の充電での走行距離1000kmを目指す。このモデルでの搭載に向けて、パフォーマンス重視の新たな角型の液系リチウムイオン電池を開発中だとしている。電池のエネルギー密度を向上させるとともに、空力や軽量化などの効率改善によって走行距離を伸ばす。現行のEVである「bZ4X」と比べてコストは20%減、10%から80%までの急速充電にかかる時間を20分以下とする目標だ。

 空力の改善には、極超音速のロケットで活用される空力技術を応用すべく三菱重工の宇宙事業部と技術検討を進めている。その要素技術を次世代EVに導入したい考えだ。

 また、多様な電動車の提供に対応できる「マルチパスウェイプラットフォーム」で2026年に向けてラインアップを充実させていく。居住性やデザインの向上につながるeAxleの基幹部品の小型化、電費向上に直結するインバーター用のSiCパワー半導体などにもトヨタグループで取り組んでいく。

液系から全固体まで、次世代電池のラインアップ

 次世代電池のうち、パフォーマンス重視のタイプはプライムプラネットエナジー&ソリューションズと、普及タイプやハイパフォーマンスタイプ、全固体電池は豊田自動織機と開発を進めている。


全固体電池以外の次世代電池の展開[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

 普及タイプの次世代電池では、ハイブリッド車(HEV)に搭載してきたニッケル水素電池のバイポーラ構造を液系リチウムイオン電池にも応用する。材料には安価なリン酸鉄リチウム(LFP)を採用し、2026〜2027年ごろの実用化を目指す。車両全体の効率改善も実施した上でbZ4Xと比べて走行距離を20%向上するとともにコストは40%減、10%から80%までの急速充電にかかる時間を30分以下にする目標だ。

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