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乗用車のフロントガラスなどに投写できる小型で高精細なディスプレイを開発:組み込み開発ニュース
マクセルは、乗用車、商用車、電車などのフロントガラス、アミューズメント施設や店舗内のガラスに投写できる、小型で高精細な「Bright Mirror Display」を開発した。
マクセルは2023年8月3日、乗用車、商用車、電車などのフロントガラス、アミューズメント施設や店舗内のガラスに投写できる、小型で高精細な「Bright Mirror Display(BM-Display)」を開発した。高解像度化と独自の画像補正技術により製品の共通化を図り、低コスト化および開発期間を短縮した。
同製品は、2021年から量産している乗用車向けのAR-HUD(Augmented Reality Head-Up Display)のバックライト技術を基に、セット容積は約1.3l(リットル)、質量は約1.0kgと製品の小型化および軽量化が図られている。小型化したことで、小型車から大型車、特殊車両まで幅広い車両への搭載が可能となった。
自動車の場合、視野角は11×4度、解像度は1920×480ピクセルで、フロントガラスの下端部にナビゲーションやインジケーター、警告などを表示できる。これまでのメーターなどに比べて視点移動が少なく、安全性の向上が期待される。
現在、トラックなどの商用車への後付け対応も検討中で、速度情報や連続運転時間、休息時間などの情報を表示することで、安全性の向上を目指す。透明なガラス上に高精細な映像を投影し、ガラス越しの商品を遮ることなく表示できるため、サイネージ分野への応用も視野に入れる。
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