ニュース
全固体電池によるエナジーハーベスト対応の評価用モジュールキットを開発:組み込み開発ニュース
マクセルは、ローム、ラピステクノロジーと共同でエナジーハーベスト対応の低消費電流モジュールキットを開発した。エナジーハーベスト向け充電制御IC、全固体電池、Nano Energy技術搭載の電源ICの組み合わせで構成する。
マクセルは2023年7月20日、ロームグループと共同で、全固体電池を使用したエナジーハーベスト対応の低消費電流モジュールキットを開発したと発表した。
同評価用キットは、ロームグループのラピステクノロジーが提供するエナジーハーベスト向け充電制御IC「ML9077」と、マクセルのセラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」「PSB401515H」、ロームの超低消費電流技術「Nano Energy」を搭載した昇圧DC-DCコンバーターIC「BD8B133NVX」で構成する。
ラピステクノロジーの充電制御ICは、エナジーハーベストからの給電や2次電池の状態を監視しながらの制御が可能。ロームのNano Energy技術を搭載した電源ICは、非スイッチング時の静止電流で180nAの低消費電流を達成した。マクセルの全固体電池は、−50〜+120℃の温度範囲に対応している。
3社の技術を組み合わせたことで、太陽光や室内照明からの発電に対応した全固体電池の充電システムへの可能性が生まれた。設備やインフラのモニタリングデバイス、表示デバイス、ウェアラブルデバイスなどの産業用途だけでなく、一般家庭での使用まで幅広く想定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 全固体電池と超低消費電流技術を組み合わせた評価用電源モジュールキットを開発
マクセルは、同社のセラミックパッケージ型全固体電池「PSB401010H」とロームの超低消費電流技術「Nano Energy」搭載の昇圧DC-DCコンバーターICを活用した、低消費電流の評価用電源モジュールキットを開発した。 - バイポーラ構造で従来比2倍の電圧5Vを実現、コイン形全固体電池を開発
マクセルは、硫化物系固体電解質を使用したコイン形全固体電池を開発した。バイポーラ構造による高電圧、高出力と、広い温度範囲、長寿命、高い安全性を提供する。非常用電源やバックアップ、車載への利用を見込む。 - 全固体はHEVではなくEVで、トヨタが技術開発の進捗を発表
トヨタ自動車が電動化や知能化に向けた技術開発の取り組みを発表した。 - 半固体と全固体、何が違う? 固体電池を材料構成から整理する
「半固体電池」とはいったいどんな電池のことでしょう。今回は、そんな分かるようで分からない「固体電池」について、その材料構成を整理しながら解説していきたいと思います。 - リチウム金属電池の実用化へ、ソフトバンクがHAPS搭載に向け成層圏実験に成功
ソフトバンクは、先端技術研究所の技術展「ギジュツノチカラ ADVANCED TECH SHOW 2023」において、空飛ぶ基地局「HAPS」向けに開発を進めているリチウム金属電池を披露した。 - 日産は半固体ではなく「全固体」電池、懸念される低寿命をNASAや大学と克服
日産自動車は2022年4月8日、2028年度の実用化を目指す全固体電池の開発状況を発表した。