SABICがPCR含有量25%以上の高機能性樹脂を発売:リサイクルニュース
SABICは、ポストコンシューマーリサイクル(PCR)を25%以上含有した、新しい「NORYL」ポートフォリオを発表した。第1弾として、PCR含有量30%の「NORYL NH5120RC3」を発売する。
SABICは2023年7月19日、ポストコンシューマーリサイクル(PCR)を25%以上含有した新しい「NORYL(ノリル)」ポートフォリオを発表した。第1弾として、PCR含有量30%の「NORYL NH5120RC3」を発売する。
NORYLは、ポリフェニレンエーテル(PPE)をベースにした高機能性樹脂。これまでにポリスチレン(PS)やポリアミド(PA)などをブレンドした200以上の樹脂グレードを提供している。
同社のPCRに関する技術は、ガラス繊維強化や非強化、非難燃グレードにも対応しており、ユーザーの要望に応じて現行のさまざまなグレードに組み込むことができる。また、PCRベースのNORYLは、厳しい屋外環境での加水分解性、寸法安定性、機械的特性の維持といった性能を有する。
最初の製品となるNORYL NH5120RC3は、PCR含有量30%で、非臭素系、非塩素系の難燃性を有する。1.5mm厚で、UL94規格の難燃グレードV1に適合。暖房や換気、空調(HVAC)エンクロージャー、太陽光発電、ソーラージャンクションボックスなどの電気アプリケーションに適する。
他にも複数グレードの提供を予定しており、化石燃料ベースの現行製品に比べて地球温暖化係数を10%削減可能となる。また、NORYL樹脂への配合に適用可能なバイオベース技術を開発しており、各グレードで最大ほぼ100%の含有量を指定できる。
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