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使用済みプラスチックのリサイクルシステム構築に向けた基本設計を開始:材料技術
出光興産は、環境エネルギーと共に進めてきた、使用済みプラスチックのリサイクルシステム構築に向けた基本設計を開始する。油化装置を新たに建設し、使用済みプラスチックから抽出した生成油から「リニューアブル化学品」を生産する。
出光興産は2022年9月13日、使用済みプラスチックのリサイクルシステム構築に向けた基本設計を開始すると発表した。2025年度の商業運転開始と、年間2万トンの使用済みプラスチックの再資源化を目指す。
同社は千葉事業所エリアにおいて、環境エネルギーと共同で、使用済みプラスチックを原料とした油化ケミカルリサイクルの技術開発と実証検討を進めてきた。今般、商業設備建設に必要な技術開発についての見通しが立ったことから、事業化に向けた基本設計を開始する。
同事業では、千葉事業所エリアに環境エネルギーのプラスチック油化装置を新たに建設。同装置には、触媒により接触分解をするHiCOP(ハイコップ)技術が用いられており、使用済みプラスチックから抽出した生成油を同所内の石油精製設備、石油化学設備で精製、分解、再合成し、「リニューアブル化学品」を生産する。
原料となる使用済みプラスチックの調達については、市川環境ホールディングスや前田産業と、具体的な調達体制の構築に向けて検討開始することに合意している。
出光興産は、全国各地のグループ製油所での事業展開も検討しており、既存設備を有効活用したプラスチックの資源循環生産システム(ケミカルリサイクルシステム)の構築を目指す。
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