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複合機から生まれたリサイクルプラスチック100%の3Dプリンタ用フィラメント:3Dプリンタニュース
キヤノンエコロジーインダストリーは、同社初の自社開発製品として、リサイクルプラスチック100%の3Dプリンタ用フィラメント2種類を独自開発したことを発表した。
キヤノンエコロジーインダストリーは2020年11月19日、同社初の自社開発製品として、リサイクルプラスチック100%の3Dプリンタ用フィラメント2種類(PC+ABS、HI-PS)を独自開発したことを発表した。
キヤノン製品のリサイクルで培った技術を応用
キヤノン製品のリユース/リサイクルを通じて高度な資源循環を追求する同社は、さらなるプラスチック資源循環を推進する取り組みとして、複合機の外装やカセットペディスタルなどに多く使われているPC+ABS、HI-PSを原料とするリサイクルプラスチック100%の3Dプリンタ用フィラメントを開発した。
同社はキヤノン製品のリサイクルで培った技術を応用し、市場から回収した複合機の外装やカセットペディスタルを最適な技術を用いて破砕、洗浄、押し出し成形することで、リサイクルプラスチック100%でありながら、安定した線径精度のフィラメントを製造する。
耐熱性に優れ高強度であるPC+ABSフィラメントを造形物を作るメイン材料とし、耐衝撃性に優れリモネンに溶けやすいHI-PSフィラメントをサポート材として用いるなど、2種類のフィラメントを組み合わせて使用することで、単一材では難しかった複雑な形状の造形物も自由に作ることができるという。
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