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「プラスチック」と「樹脂」って何が違うの? それに「エンプラ」って何よ?ママさん設計者とやさしく学ぶ「機械材料の基本と試作」(4)(1/4 ページ)

ママさん設計者と一緒に、設計実務でよく用いられる機械材料の基本と、試作の際に押さえておきたい選定ポイントと注意点を学んでいきましょう。今回は、非金属を語るにあたって外せない、機械材料の「強さの度合い」を表す指標について説明した後、プラスチックのあれこれについて紹介します。

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 皆さん、こんにちは! Material工房・テクノフレキスの藤崎です。

 連載第2回3回と、試作に使われる主だった金属材料の特徴を紹介してきました。お分かりの通り、金属材料はとにかくバリエーション豊かなので、いまひとつスッキリされていない方がいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、前回も予告したプラスチックのお話を始める前に、いったんここまでの内容を整理していきます。

「ひき肉余ってるから、ハンバーグ作ろっ」みたいにいかないのよ〜

 連載第1回の中で「大事なのは、『私はこういう理由でこの材料を選びました』という、根拠を明確にするセンスを身に付けること」と書きましたが、これを分かりやすく日常生活の中で例えてみます。

 「今夜はハンバーグを作ろう」と思ったら、まず先に何をしますか?

 まず冷蔵庫をのぞいて、必要な材料がそろっているか確かめますよね。そして次に足りない材料を買いに行きます。それとは違って「今日の夕飯、何にしようかな」と冷蔵庫をのぞいたら、たまたま余ったひき肉があったので、今夜はハンバーグにしようという場合もあるでしょう。このとき、前者はメニューが確定していて材料を調達する、後者は残り材料に合わせてメニューを決めることになりますね。食生活は自分の好きなようにコントロールできるので前者も後者もアリですけど、機械製作の実務ではそうはいきません。ほぼ毎回前者なのです。

 言うまでもなく、ハンバーグを作るための牛や豚のひき肉は動物性タンパク質です。ところがそれを買いに行ったら鶏のひき肉しか売っていなかったとします。でも、どれも動物性タンパク質ですから、何が何でも牛や豚でなければならない理由がなくて、「とにかく動物性タンパク質を摂りたい」という目的がかなうなら、肉としての味が違っても鶏ひき肉に代替できますよね。後はおいしく上手に作るだけです。

 ちょっと脱線っぽくなってしまいましたが、機械製作では「倉庫をのぞいたらたまたま鉄があったから、これを使って機械を作ろう」ではなく「機械を構成するこの部品には鉄がふさわしいから鉄を使おう」になるのが普通なので、材料の知識を得るだけでなくて“材料に何を求めるのか”という思考が必要になってきます。これは金属材料に限らないお話で、目的や用途、それから予算に合った材料を選ぶ、あるいは代替材は何かといった判断を、できるだけ早くサクッとこなせる力を身につけたいのです。それには机上の学習では限度があって、やはり実際の材料に触れる以上の学習はありません。できるだけいろいろな材料を手にとる機会を作りながら、材料の性質を日常的なイメージで把握できるようになるとよいですね。

材料の強さの度合い

 材料の性質とは、その材料が持って生まれた性格と体質がどうであるかの他に、「どんなことをした時どういう反応を示すか」を表すもので、実務ではこれを数値化した「特性データ」を用いて判断します。

 「特性データがどういうものなのか」という参考として、大手材料メーカー白銅のWebページより、材料特性データが見られるリンクを紹介しますね。

>>参考リンク:白銅「技術データ」

 ここの掲載内容を見ると、「物理的性質」「機械的性質」に大きく分けられているのが分かります。物理的性質とは、その材料の生まれつきの密度(比重)や熱や電気や磁気に対する性質を指すもので、機械的性質とは、外からの力に対する反応の度合いです。このうち、“超基本”として押さえておきたいポイントをまとめてみました。

 材料に求めたいのは、まず、外からかかる力に対する「強さの度合い」です。ここで、「機械的性質」に注目することになります。ただ、「強さの度合い」って、なんだか漠然としてませんか? 「硬いだけがとりえで柔軟性がなく融通のきかない」材料は、どこに用いればよいかや加工方法に困ってしまいます。だから「強さの度合い」を「強度=加わる力に耐えられる度合い」と「剛性=力が加わった時の変形しにくさ」とに分けて考えます。この2つを頭に置きながら、材料に外から力をかけた時、一般的にどんな反応過程をたどるか見ていきましょう。

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