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無人フォークリフトが定点間搬送、トラックの荷降ろし荷積み以外は自動化目指す無人搬送車

ラピュタロボティクスは同社初のAGF(無人搬送フォークリフト)「ラピュタ自動フォークリフト」のデモンストレーションを披露した。

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 ラピュタロボティクスは2023年7月11日、同社初のAGF(無人搬送フォークリフト)「ラピュタ自動フォークリフト」のデモンストレーションを同社平野オフィス(東京都江東区)で披露した。


ラピュタロボティクスの「ラピュタ自動フォークリフト」[クリックで拡大]

 ラピュタロボティクスはスイス連邦工科大学チューリッヒ校で学んだ2人のスリランカ人が2014年に創業した。ロボティクスプラットフォーム「rapyuta.io」と群制御AI(人工知能)を軸にピッキングアシストロボット「ラピュタAMR」を展開し、国内の物流倉庫などに多数の導入実績を持つ。

 2023年に発表したラピュタ自動フォークリフトは、業務提携する三菱ロジスネクストフォークリフトのフォークリフトに、3つのLiDAR(Light Detection And Ranging)など複数のセンサーを装着するなどラピュタロボティクスで自動化対応を行った機体となる。最大荷重は1.5トンだ。

 デモンストレーションでは、2台のラピュタ自動フォークリフトがそれぞれ別の階にいるという想定の下、1台がトラックから既に荷下ろしされた荷物を垂直搬送機のコンベヤーまで運び、もう1台がコンベヤーから流れてきた荷物を仮置き場まで運ぶ様子を紹介した。

2台のラピュタ自動フォークリフトによるデモンストレーション[クリックで再生]
ラピュタロボティクスの有元啓祐氏
ラピュタロボティクスの有元啓祐氏

 国内でフォークリフトは年間約8万台が販売されている一方で、同社によればAGFは年間約300台に満たないとまだまだ市場は小さい。ラピュタロボティクス 自動フォークリフト事業責任者の有元啓祐氏は「柔軟性が求められる物流現場に自動機を導入するのは難しい。導入に対する費用対効果もネックになっている。その中で、われわれ自身で難しいとされるソリューションを作ってみようと試みた」とAGF投入の狙いを語る。

 ラピュタ自動フォークリフトは磁気テープなどを埋め込む必要がなく、現場作業を止めずに導入できる。タブレット端末を使って搬送指示などを行い、夜間の無人作業も可能だ。「人間の作業はとても速く、AGFはかないません」(有元氏)と話すが、1時間で20〜30枚のパレットを搬送できる。

 現状では、荷物の仮置き場から垂直搬送機までや、垂直搬送機から仮置き場までなどの定点間搬送に対応する。2024年には実際に仮置き場から運び出して棚に収める棚入れ作業や、棚から荷物を運び出すピッキング作業にも対応する予定だ。「トラックからの荷降ろしとトラックへの荷積み以外は全て対応できるようになる」(有元氏)。

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