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24時間以内発送率95%以上で部品保有点数は1.5倍に、DMG森精機の新パーツセンターサプライチェーン改革(1/2 ページ)

DMG森精機は2019年7月9日、同社伊賀事業所内の工場建屋をリニューアルして整備した「グローバルパーツセンタ」の開所式を開催した。最新鋭の高層自動ラック倉庫を導入し、倉庫管理システムによるピッキングなどの自動化を徹底。24時間発送率95%以上を維持した上で移転前に比べて部品保有点数を1.5倍に拡張できたという。

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 DMG森精機は2019年7月9日、同社伊賀事業所内の工場建屋をリニューアルして整備した「グローバルパーツセンタ」の開所式を開催した。最新鋭の高層自動ラック倉庫を導入し、倉庫管理システム(Warehouse Management System、WMS)によるピッキングなどの自動化を徹底。24時間発送率95%以上を維持した上で移転前に比べて部品保有点数を1.5倍に拡張できたという。

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「グローバルパーツセンタ」開所式のテープカットの様子(クリックで拡大)

高層自動ラック倉庫で自動化を徹底

 新たな「グローバルパーツセンタ」は三重県伊賀市にある伊賀事業所内の工場建屋をリニューアルして設立。従来は奈良事業所に設置していた「グローバルパーツセンタ」を移転させた。「グローバルパーツセンタ」は、日本など各拠点から納入された主要部品や、消耗品を保管し、国内や欧州、中国などに出荷する役割を担う。

 新たなグローバルパーツセンタは、床面積は約1万2000m2と従来のセンタとほぼ同じである。ただ、高層型の自動ラック倉庫を導入したことにより、部品の保有点数を約1.5倍に拡大できたという。もう1つの特徴が、ERP(Enterprise Resources Planning)システムと連携した倉庫管理システムにより、自動化を徹底したという点である。自動化設備については豊田自動織機が導入している。

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高層の自動ラック倉庫(クリックで拡大)

 従来は人手によるピッキングが中心で、人が帳票を片手に棚の間を駆け回って、部品を集めていた。これを自動化することで、棚を高くすることができ、部品棚の体積量を増やすことができた。さらに自動化を進め、作業指示は倉庫管理システムからハンディターミナルに配信。さらに、部品と棚に付けられたQRコードを、ハンディターミナルで読み込むことでミスのないピッキングを実現できるようにした。

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DMG森精機 取締役社長の森雅彦氏

 DMG森精機 取締役社長の森雅彦氏は「DMG森精機全体で過去に出荷してきた機械が40万台あり、その内現在も稼働している機械は20万台ある。平均の使用期間は17〜18年だが、中には40年以上使われている機械も存在し、こうした部品を供給し続けるということは大変なことだ。ただ、メーカーとしての価値を認識してもらうきっかけはパーツの供給であったり、サービスであったりの場合がほとんどなので、今後も強化していく方針だ」とサービス事業についての考え方について示す。

 奈良にセンタを配置していた時から受注から24時間以内のパーツ発送率は95%以上となっていたが「新センタでも取り扱いパーツ数は増えるが、自動化やシステム化を含めて、同等の比率は維持していく。さらに、今後は機械そのものの予兆保全情報などとの連携などを進め、100%に近づけられるようにしていく」と森氏は語っている。

メンテナンス部品を中心としたサービス事業を成長の源泉へ

 DMG森精機では2018年度(2018年12月期)に初めて売上高で5000億円を突破し2019年も同等の売上高を維持する見込み。米中貿易摩擦など現在の市場環境から「現在の受注状況が続けば2020年は難しいかもしれない」(森氏)とするが、「中長期的に見れば成長はするだろう。2030年には1兆円の売上高になると考えている。現在の生産キャパシティーは年間1万台くらいだが、約1万5000台まで拡大するように準備を進めている。1台当たりの平均売上高は10年前は約2500万円だったが、5軸化、複合化、システム化により1台当たりの単価が上がり現在は4000万円くらいになっている。これが今後5000万円程度にまで増えるとすると、製品の販売で7500億円くらいの売上高は実現できる。その残りの2500億円をパーツやサービスで担う形となる」と森氏はパーツビジネスの重要性について語る。

 パーツ事業やサービス事業については「現状は、それぞれ500億円規模だが、それぞれ1000億円規模に拡大できるようにしていく」と森氏は述べている。

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