エアコン室外機の自動分解システムを開発、家電リサイクルの自動化に向け:リサイクルニュース
パナソニックホールディングスは、「エアコン室外機外装自動分解システム」を開発した。エアコンの室外機をロボットで分解する「エアコン外装自動分解設備」と分解に必要な情報を蓄積する「分解データベース」を基盤としている。
パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)マニュファクチャリングイノベーション本部は2023年6月27日、パナソニック エコテクノロジー関東(PETEC関東)や三菱マテリアルと協業し、家電リサイクルの自動化に向けた「エアコン室外機外装自動分解システム」を開発したと発表した。
同システムは、エアコンの室外機をロボットで分解する「エアコン外装自動分解設備(自動分解設備)」と、分解に必要となる情報を蓄積する「分解データベース」を基盤とする。メーカーにより大きさやデザインが異なるエアコン室外機の分解工程を自動化することで、人手に依存していた作業の負荷を低減する。
自動分解設備では、AI(人工知能)を用いた認識技術により、カメラで撮影した室外機の汚れやサビがあるビス位置を正確に把握する。ドライバーが付いたロボットアームでビスを外し、人の動きを再現する把持ハンドでカバーのはめ込みを外して分解する。この作業により、室外機の分解工程の一部を自動化した。
また、室外機のデータを型番ごとに蓄積し、分解ラインの基盤となる分解データベースを確立した。三菱マテリアルのAI-OCR(光学式文字読取)技術を活用し、ラベルから読み取った型番と、自動分解設備で認識した室外機の情報をリンクさせて蓄積する。
分解データベースに登録された室外機は、ビスの位置や本数の誤認識が減り、ロボットの分解効率が向上する。自動分解設備を使用してデータベースへの登録機種数が増えると、ロボットの分解動作が進化するシステムとなっている。
パナソニックHDは、PETEC関東において、同システムの実証評価を2022年度に完了している。今後は、対象機種の拡大や生産性向上を図るとしている。
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