印刷インキの世界市場を予測、2027年に346万t:製造マネジメントニュース
富士経済は、印刷インキの世界市場に関する調査結果をまとめた。印刷方式別、用途別、種類別以外に、環境対応型インキ、印刷機、印刷資材やインキ原料について考察し、2027年の世界市場は346万トンになると予測した。
富士経済は2023年6月6日、印刷インキの世界市場に関する調査結果「環境対応が進む印刷インキ関連市場の全貌2023」を発表した。印刷方式別、用途別、種類別以外に、環境対応型インキ、印刷機、印刷資材やインキ原料についても考察。2027年における印刷インキの世界市場は、2022年比6.5%増の346万トン(t)になると予測している。
印刷方式別では、紙媒体向けのオフセットインキは需要が減少する一方で、パッケージ用としてインクジェットインキが2027年に2022年比53.3%増の23万tに伸びるとしている。環境規制が進む欧米では、余剰在庫の削減や洗浄廃液の低減を目的に、製版が不要で小ロット多品種の印刷が可能なインクジェット印刷の導入が増えている。
環境意識の高まりから、食品パッケージにおいて需要が増えているバイオマスインキの国内市場は、石化由来インキからの切り替えが進み、2027年は同比2倍の10万tに拡大すると見込む。今後は、価格面や印刷特性、色の再現性が課題となる。
同じく環境負荷低減を目的に採用が進む水性インキの世界市場は、2027年に同比22.7%増の54万tになると予測する。現状の段ボール用途に加え、食品パッケージ用途への伸長が見込まれている。
食品や日用品、医薬品などで使用されるプラスチックフィルムの軟包装用インキは、アジア太平洋地域で需要が高まっており、2027年の世界市場は、同比13.2%増の129万tと推計している。軟包装印刷は、ヨーロッパの約6割、米国の約8割が凸版によるフレキソ印刷を用いる一方、日本やアジア地域では、凹版によるグラビア印刷が約8割を占めている。
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