富士経済は2022年4月6日、電動車向け充電器の大出力化の動向調査について発表した。
急速充電器の市場は堅調な伸びがみられるものの、現状は中国が需要の中心であるという。大出力の充電器についても同様に中国が市場をけん引すると見込む。
現在、出力151kW以上の急速充電器の市場規模は日本が30個、ドイツが980個、米国が7900個、中国が1万2200個となっている。2035年には、日本が現状から10.6倍の320個、ドイツが同7.5倍の7400個、米国が同7.6倍の6万500個、中国が同31.1倍の38万個に拡大すると予測している。
急速充電器の規格も大出力化に向けて動き出している。ただ、CCSの1000kW対応のメガワット充電器や、900kW対応のChaojiの実証事業は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長期化の影響を受けて停滞しているという。
大出力の充電器については、テスラが2023年中に出力500kWの「Supercharger V4」を投入する計画だ。CCSの500kW対応の充電器よりも先行して設置されるとみられる。
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