アスクルが日野とEVトラックで実証実験、EVに合わせて業務を変える可能性も:電気自動車(1/2 ページ)
アスクル、日野自動車と関西電力の共同出資会社CUBE-LINX、日野自動車の3社は2022年1月19日、小型トラックタイプのEV(電気自動車)を用いて運行管理とエネルギー利用を最適化するマネジメントの実証実験を開始したと発表した。
アスクル、日野自動車と関西電力の共同出資会社CUBE-LINX、日野自動車の3社は2022年1月19日、小型トラックタイプのEV(電気自動車)を用いて運行管理とエネルギー利用を最適化するマネジメントの実証実験を開始したと発表した。
日野自動車が開発した「デュトロ Z EV」を2台と、6kWの普通充電器と50kWの急速充電器2台ずつを、アスクルの新木場物流センターに導入する。実証実験の期間は2022年5月31日まで。
デュトロ Z EVの車両サイズは全長4.7×全幅1.7×全高2.3m。床面地上高は40cmと超低床だ。モーターの最高出力は50kW、バッテリー容量は40kWhだ。1トンの荷物を積載できる。実証実験では「荷物を満載して、通常の配送業務と同様に使用する」(アスクル コーポレート本部 コーポレートコミュニケーション サステナビリティ(環境)部長の東俊一郎氏)。
3社で車両の使い勝手を検証するとともに、2台のデュトロを対象とした配送現場での効率的な運行管理、最適な充電管理、エネルギー利用量の最適化などの効果を確認する。実証実験で得られた知見は、今後の電動車開発や電動車の導入や運用での課題解決に生かしていく。今後はアスクルが保有する他のEVも含めたマネジメントも検討していく。
アスクルがEVに期待していること
アスクルは2030年に事業の全領域でCO2排出量をゼロにする「2030年CO2ゼロチャレンジ」に取り組むとともに、国際的イニシアチブ「RE100」と「EV100」に加盟している。EV100では、荷物を届けるラストワンマイルにおいて、自社グループで使用する配送車両を2030年までに全てEVとすることが目標だ。アスクルは現時点で21台のEVを配送車両として導入している。
アスクルでは現在、配送に日産自動車の「キャラバン」をメインで使用している。これまでに導入したEVとしては、日産自動車の「e-NV200」、三菱ふそうトラック・バスの「eCanter」、三菱自動車の「MINICAB-MiEV」がある。e-NV200はキャラバンよりも積載量が400kg少なく、配送効率の低下が課題に残った。eCanterは積載量の大きさを生かして家具などの大物の配送に使っている他、ラストワンマイルのMINICAB-MiEVへの配給としても活用している。
これまでEVを導入してきた中で、ドライバーからはエンジン車よりもパワーがあること、揺れが少なく体への負担が少ないこと、静粛性が高く騒音への苦情がないことなどがメリットとして挙げられた。一方で、常に充電残量が気になる点や空調によるバッテリー消費、車体の大きさの割に積載量が小さいことなどがデメリットとして指摘された。「デメリットが解決できれば、環境だけでなくドライバーにも優しいクルマになる。EVを積極的に導入する意義になる」とアスクルの東氏はコメントした。
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