転勤に関する意識調査、「転勤なし」に言及した正社員求人は5年で3倍に:キャリアニュース
Indeed Japanが「転勤」に関する意識調査の結果を発表した。「転勤なし」に言及した求人は5年間で約3倍に増加していた。また、転勤に対するイメージは、引っ越しを伴う転勤経験者ほどポジティブであることが分かった。
求人検索エンジン「Indeed(インディード)」の日本法人であるIndeed Japanは2023年5月18日、「転勤」に関する意識調査の結果を発表した。
同調査は、20〜50代の正社員または公務員の男女4480人を対象とした。また、転勤に関する求人動向調査は、Indeed上に掲載された正社員求人のうち「転勤なし」に言及している求人の割合を算出した。
初めに、「転勤に関する求人動向」を調べたところ、Indeed上で「転勤なし」に言及した仕事の割合は、2018年からの5年間で最大3.0倍に増加しており、特に直近1年間で大きく増加した。2022年3月以降を見ると、正社員求人の15%以上を占めている。
職種別に見ると、「アパレル」「スポーツ」「保険」「ドライバー」の4職種で「転勤なし」に言及した求人が25%以上を占めた。いずれも5年間で増加傾向が見られる。
転勤に対するイメージとして最も多かった回答は、「どちらとも言えない」で55.9%を占めた。「良いイメージ」「やや良いイメージ」は18.2%、「悪いイメージ」「やや悪いイメージ」は25.9%となり、二分する傾向が見られた。年代別で見ると、若い年代ほど良いイメージが強く、20代は「良いイメージ」「やや良いイメージ」が合わせて29.1%となっている。一方、50代は「良いイメージ」「やや良いイメージ」が12.5%だった。
転勤を経験することで、転勤への印象が変化
転勤に対するイメージは、引っ越しを伴う転勤経験者ほどポジティブで、「良いイメージ」を持っている人が27.0%。全体に比べ+8.9ポイントとなった。特に2020年4月以降の転勤経験者にその傾向が強く、良いイメージを持っている人が41.3%と、全体との比較で+23.1ポイントとなっている。
また、転勤を実際に経験すると、転勤に対する印象がポジティブに変化する割合が高いことが分かった。直近の転勤前後で転勤への印象が変化したかについて調べたところ、転勤前は「良い印象」が23.5%、「悪い印象」は22.4%だったのが、転勤後は「良い印象」が44.0%(+20.6ポイント)、「悪い印象」が17.0%(−5.4ポイント)となり、印象が好転している。
転勤経験者が転勤して良かったと感じたことのトップ3は、1位が「通勤時間が減った」(21.2%)、2位が「新しい環境で気分転換できた」(20.3%)、3位は「良い経験を積むことができた」(18.2%)となっている。
続いて、転勤がきっかけで転職や退職、その検討をしたことがあるかを尋ねた。その結果、転職経験者の約4人に1人となる24.5%が「検討をしたことがある」と回答した。20代を見ると、36.5%が検討をしたことがあると回答しており、これは全体との比較で+12.0ポイントとなる。
また、転勤に悪いイメージを持っている人の4人に1人以上が、現在の勤務先を選ぶ際に「転勤の可能性がないこと」を重視していた。今後、勤務先を選ぶ際に「転勤の可能性がないこと」を重視する人は、3人に1人以上となっている。
次に、引っ越しを伴う転勤をしても良いタイミングを尋ねた。転勤をしても良いタイミングがある人のうち、最も多かったのは「入社して2〜3年後」(50.5%)だった。次いで「子供が自立した後」(40.4%)となっている。
引っ越しを伴う転勤をしたくないタイミングは、転勤をしたくないタイミングがある人のうち、「結婚直後」(51.4%)が最多だった。次いで「子供が生まれる前」(50.5%)となっている。転勤を避けたいタイミングは、「結婚する直前」から「子供が高校生」までに集中していた。
「直近の転勤形態」を尋ねたところ、遠方への転勤経験者のうち、リモートワークなどを活用して引っ越しをせずに転勤する「リモート転勤」をしている人が18.6%いた。なお、「リモート転勤」の経験者のうち、46.7%が「転勤に対して良いイメージ」を持っていた。
転勤に関する企業の取り組みに対しては、導入を歓迎する制度として、61.0%が「同意のない転勤を撤廃する制度」、55.0%が「転居、引っ越しを伴う転勤のない人事制度」と回答した。
「引っ越しを伴う転勤に対して絶対に必要な支援」は、1位が「引っ越し手当」(50.3%)、2位は「転勤手当」(47.7%)だった。「あったらうれしい支援」は、1位が「良い条件の住居」(19.1%)、2位「引っ越し手続き代行」(17.5%)となっている。
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