ソニーGはコンテンツIPとイメージセンサーの投資強化へ、金融事業はスピンオフ:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
ソニーグループ(ソニーG)が経営方針を説明。2024年度以降の次期中期経営計画に向けて、コンテンツIPやイメージセンサーへのさらなる投資を継続しつつ、金融事業についても成長拡大を目指すためパーシャルスピンオフを検討していることを明らかにした。
「クリエイションの強化」がキーワードに
ソニーグループ 代表執行役 会長 CEOの吉田憲一郎氏は「感動」をキーワードとする同社の長期視点の経営方針として、「クリエイターに世界で最も選ばれるブランドとなり、コンテンツやテクノロジーなどの各領域でのクリエイションを強化する」と訴える。過去5年間で累計約1兆円を投資したコンテンツIPの強化や、PlayStation向けの自社制作ゲームソフトウェア「Last of Us」のテレビドラマ化に代表されるパートナー連携とコンテンツIPの事業間連携などはその代表になる。
また、ソニー・ピクチャーズのインド法人SPNI(Sony Pictures Networks India) CEOのN・P・シン氏が会見に登壇し、インドにおけるソニーグループの事業の広がりと、主にエンターテインメント分野における成長機会について説明した。インドは人口が世界最大の14億人になるとともにGDPの成長も著しく、今後の事業成長を目指すソニーグループにとっても重要な地域になっている。なお、SPNIは、2023年度上期中にインドのメディアコンテンツ企業であるZee Entertainment Enterprisesとの合併を控えている。
テレビやスマートフォン、カメラ、放送機器などを手掛けるエンタテインメント・テクノロジー&サービス分野についても、製品を売っていくのではなく、コンテンツを制作するクリエイター向けのソリューション提供に主眼を置く姿勢を示した。映像制作用カメラ「VENICE」だけでなく、ミラーレス一眼カメラ「αシリーズ」、スマートフォンに搭載されているソニー製イメージセンサーも「クリエイションを強化する」ためのソリューションになるという位置付けだ。
新たな事業の育成という観点では「感動空間の拡張」として、これまでも注力してきたVR(仮想現実)などを活用する「仮想空間」、ホンダやEpic Gamesと協業を進める自動車関連の「移動空間」に加えて、ソニー製カメラを搭載する超小型人工衛星「EYE」を通じて宇宙感動体験の創出を目指すプロジェクト「STAR SPHERE」を起点とした「宇宙空間」も取り上げた。
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