先進の脱炭素技術搭載、部品の高精度化に対応する立形マシニングセンタ:工作機械
オークマは、高精度立形マシニングセンタ「MB-46VII」を発表した。「MB-V」シリーズの最新モデルで、精度安定性が従来機に比べ向上し、先進の脱炭素技術を搭載している。
オークマは2023年3月17日、高精度立形マシニングセンタ「MB-46VII」を発表した。「MB-V」シリーズの最新モデルで、精度安定性が従来機に比べて向上し、先進の脱炭素技術を搭載している。
MB-46VIIは、半導体製造装置部品をはじめとする部品の高精度化に対応する。独自の知能化技術「サーモフレンドリーコンセプト」を採用しており、室温変化8℃での経時加工寸法変化が5μm以下と、従来機の8μmから38%向上した。
スループットは14%向上している。標準で電動ATCシャッターを搭載し、従来機に比べて工具交換時間(CTCmin)を30%短縮した。また、主軸内残留クーラントを0.6秒で排出する。
特別仕様の強力主軸は、最高回転速度が1万5000min-1。最大出力は33kW(10分)で従来機から50%向上し、最大トルクは242N・m(20%ED)で従来機から21%向上している。
自動化にも柔軟に対応する。生産量に応じて必要な加工機をワンタッチで自動化する「移動式協働ロボット」の他、ワークを自動で治具類に供給する13本の内部配管(特別仕様)、オペレーターが周辺装置やロボットを機械のように操作できるスマート加工セルコントローラー「smarTwinCELL」などを備える。
機内の切粉洗浄は環境に配慮したもので、必要な箇所に必要な洗浄をする。Y軸カバー洗浄は標準搭載となっている。また、特別仕様のスラッジレスタンクは、クーラントタンク内の切削液に含まれるスラッジを自動で回収し、クーラントタンクの清掃頻度が激減する。被削材が鋳物、アルミの場合のスラッジ回収率は98%だ。同社内設備の実績では、クーラントタンクの清掃とクーラント交換が3年間必要なかった。
主軸はNo.40、No.50、新しく加わった金型向けの3万min-1主軸など、合わせて9種類をラインアップ。ワークや加工に最適な主軸を選択できるため、幅広い加工ニーズに応える。
MB-46VIIは、新世代CNCの「OSP-P500」を搭載し、機械が自律的に脱炭素と高精度を両立する同社の工作機械群「Green-Smart Machine」に該当する。省エネ技術を搭載していない同等の機械と比べて消費電力を15%削減。新たに開発した特別仕様のグリス主軸は、オイル潤滑用のエアを使用しないため、環境に配慮した加工ができる。
また、OSP-P500のデジタルツインにより、シミュレーションを実加工時間の1000分の1と高速に、かつ誤差1%以下の高精度で実行し、工場の稼働率を最大化する。操作性にも優れ、先進的なHMIにより、初心者でも1日でプログラム作成から初品加工まで実施できる。
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