中国素材メーカーがバイオプラの増産を目的に杭州で延べ3.3万m2の工場を新設:FOODEX JAPAN 2023
中国の素材メーカーである杭州聚豊新材料は、「FOODEX JAPAN 2023」に出展し、生分解性バイオプラスチック素材「POLEC」の増産を目的に、中国の杭州で新工場を2023年以降に建設することを発表した。
杭州聚豊新材料は、「FOODEX JAPAN 2023(第48回 国際食品・飲料展)」(2023年3月7〜10日、東京ビッグサイト)に出展し、代理店のプライムアークを通して国内で販売している、生分解性バイオプラスチック素材「POLEC(ポレック)」を用いたコンパウンドやストローなどを披露した。
POLEC製の発泡スチロールも開発予定
POLECは、中国の素材メーカーである杭州聚豊新材料が開発した生分解性バイオプラスチック素材で、土やコンポスト(堆肥)に埋めることにより、微生物の働きでCO2と水に分解できる。
原材料には、トウモロコシ由来のポリ乳酸(PLA)を利用することで、成形加工と静電気防止効果に優れ、着色もしやすい。トウモロコシ由来のポリ乳酸は、製造過程でCO2を吸収するため、カーボンニュートラルにも貢献する。
同社では、POLECを押出成形したストローや射出成形したカトラリー(食卓用のナイフ、フォーク、スプーンなどの総称)、レジ袋、宅配用ビニール袋、食品用手袋、真空成形した食品容器とカップ/フタも販売している。
杭州聚豊新材料のブース担当者は、「当社は、国内でPOLECを用いた製品を2022年1月に販売したが、当初は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で引き合いが少なかった。しかし、2022年秋以降は、コロナ禍が落ち着き、自治体などでPOLECを活用したごみ袋が採用されるなど、導入が進んでいる」と話す。
続けて、「親会社の杭州聚豊新材料は、中国の杭州で構える本社に延べ床面積が6600m2の研究開発センターを備えている。敷地内にある延べ床面積が1万8700m2の主力工場は、POLECやこれを活用した製品を製造する複数の生産ラインを有し、年間5万t(トン)の生産能力を持つ。加えて、技術開発と増産を目的に、延べ床面積が3万3000m2の新工場を2023年以降に建設する予定だ」と補足した。
今後は、Eコマースの需要が拡大していることを踏まえて、配送される商品の保護に役立つPOLEC製の発泡スチロール(EPS)を製品化する見込みだ。
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