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ドライバーにたまっている静電気を逃がして車両挙動を安定、新型プリウスで採用:材料技術
アキレスの「導電性表皮材」がトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」に採用された。
アキレスは2023年2月15日、「導電性表皮材(除電機能付き表皮)」がトヨタ自動車のハイブリッド車(HEV)「プリウス」に採用されたと発表した。2021年に発売された「カローラ」の特別仕様車や、「クラウン」でも採用実績がある。
導電性表皮材は運転席のシートに使われている。ドライバーと周辺にたまっている静電気をボディー全体に分散させて帯電量を軽減する役割がある。静電気軽減機能が静電気による空気の乱れを改善して車両の挙動を安定させ、疲れにくく気持ちのいいドライビングを実現するとしている。
アキレスは、工場の設備資材や包装材、機器の他、半導体など電子部品の静電気対策品向けに静電気対策技術を展開してきた。車両用シートの表皮材も長年手掛けている。トヨタ自動車協力の下、こうしたノウハウを組み合わせて導電性表皮材を開発した。
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