マザックがインドに40億円投資で工場新設、現地市場向けマシニングセンタを生産:工場ニュース
ヤマザキマザックは新たにインドに工場を建設し、同年3月より稼働を開始すると発表した。
ヤマザキマザックは2023年1月19日、新たにインドに工場を建設し、同年3月より稼働を開始すると発表した。
生産機種は現地ニーズに対応した機能を装備、現地調達も徐々に拡大へ
工場はインド中西部のマハーラーシュトラ州に開設し、日本で開発、設計したインド市場向けの新型立形マシニングセンタ「VC Ezシリーズ」を生産する。このVC Ezシリーズは現地のニーズを反映したモデルとなっており、高温対策として強電盤クーラーを装備して盤内を理想的な温度レベルに保ち、電装品の耐久性を向上させる。
さらにインドで頻発する停電対策として、停電時の主軸引き上げ、タップ引き抜き機能を標準装備している。主軸引き上げは、停電時に主軸が重力で下がることによりワークや機械が破損するのを防ぐためのもので、停電により緊急停止した際に自動で主軸を引き上げる。タップ引き抜きも同じく停電による緊急停止時にタップを自動で引き抜き、ワークから工具が抜けなくなることを防ぐ。
NC装置や主軸などの部品は日本より供給し、鋳物や板金は現地にて調達する。当初は月産40台からスタートし、段階的に生産量を引き上げ、現地調達比率も高めていく。敷地面積は8万8000m2、第一期工事完了時の延べ床面積は2万3000m2となっている。総投資額は第1期工事分で約40億円となる。
ヤマザキマザックは1998年にインドに営業拠点を開設し、現在はインド国内に6カ所のサポート拠点を構えている。インドは約14億人の人口を抱えており、今後も増え続けて中国を上回って世界最多の人口になることが見込まれている。若年層も多いため、さらなる経済成長が期待されている。自動車をはじめ医療、航空機、半導体産業などの市場拡大に伴い、工作機械の需要拡大が見込まれている。インドに工場を設置することで、現地のニーズにあった製品を迅速に提供できる体制を構築する。
インド工場の新設によりヤマザキマザックの生産拠点は国内5カ所、海外6カ所の合計11カ所となる。
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