“今再びの現場革命を”マザックが提案する製造現場のデジタル活用:工作機械(1/2 ページ)
ヤマザキマザックは2022年12月7〜9日まで、美濃加茂製作所 第一工場 ワールドテクノロジーセンタ(岐阜県美濃加茂市)などでJIMTOF2022アンコールフェア(以下、アンコールフェア)を開催し、最新のソリューションや新機種7台を含む計28台の工作機械を展示した。期間中は事前登録した約1700人が来場した。
ヤマザキマザック(以下、マザック)は2022年12月7〜9日まで、美濃加茂製作所 第一工場 ワールドテクノロジーセンタ(岐阜県美濃加茂市)などでJIMTOF2022アンコールフェア(以下、アンコールフェア)を開催し、最新のソリューションや新機種7台を含む計28台の工作機械を展示した。期間中に、事前登録した約1700人が来場した。
マザトロールDXで機械を使いこなし、現場の運用を変える
今回のアンコールフェアはJIMTOF(日本国際工作機械見本市)に来場できなかったユーザーや、展示内容についてより詳細に知りたいユーザーを招いたプライベートショーとなる。JIMTOFやEMO(国際金属加工見本市)など大きな展示会の後に恒例で行っている。
アンコールフェアではJIMTOFと同様、「DISCOVER MORE WITH MAZAK」をテーマとしてカーボンニュートラルに向けたマザックのデジタル製造ソリューションを提案。機体単体ではなく、ユーザーが抱える問題に対するソリューションの提案に力を入れた。
ひときわ大きく紹介していたのが、2023年4月の提供開始を予定している「マザトロールDX」だ。マザックのCNC装置「MAZATROL」と同期するサブスクリプション型のソフトウェアで、3D CADデータとAI(人工知能)、デジタルツイン技術を活用することで、加工時間の自動見積もりや加工プログラムの自動生成、加工現場の機械へのデジタル指示書の発行、自動計測などの段取り支援といった機能を実装する。
特にデジタル指示書は、加工開始前に工具の突き出し量、搭載本数などを確認し、フィードバックすることで、PCで組んだプログラムと現場の状況との差異をなくすことができる。
マザックは1981年に、世界初の自然言語による対話式プログラミングを可能にしたMAZATROLを世に送り出している。
マザック 上席執行役員 商品開発本部 副本部長 先行開発センタ センタ長でFAソリューション事業部 事業部長の堀部和也氏は「われわれは40年前にMAZATROLでモノづくり現場の働き方改革をした。今、人手不足と技能継承が課題になる中で、もう一度そこにフォーカスしている。本質的にモノづくりの現場の生産性を高めようとした時に、機械を使いこなしてもらうことが一番大事だ。ハードウェアの進化も必要だが、ソフトウェアの使いやすさ、いかに簡単に導入して使いこなせるかに開発の重点を置いている」と語る。
MAZATROLでも、新たに切粉の巻き付きによる運転停止を防ぐ振動切削が選択可能になっている。「MAZATROLが進化していくことで、ハードウェアの性能は変わらないかもしれないが機能が増えていくようなイメージだ」(堀部氏)。
マザック 取締役 常務執行役員 営業CS本部 本部長の山崎真嗣氏も「デジタルを活用した製造ソリューションといっても、町工場の人が使えるデジタルソリューションでないと意味がない」と力を込める。
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