内視鏡検査動画から大腸ポリープ候補の検出を支援するソフトウェアを発売:医療機器ニュース
エルピクセルは、深層学習を用いて、大腸内視鏡検査動画から大腸ポリープ候補の検出を支援する「医用画像解析ソフトウェアEIRL Colon Polyp」を発表した。病変検出感度は98.1%で、大腸ポリープの検出、診断補助に貢献する。
エルピクセルは2022年12月9日、深層学習を用いて、大腸内視鏡検査動画から大腸ポリープ候補の検出を支援する「医用画像解析ソフトウェアEIRL Colon Polyp(エイル コロン ポリープ)」を発表した。同年11月14日付で、深層学習を活用したプログラム医療機器として薬事承認を取得している。
EIRL Colon Polypは、大腸内視鏡検査中に通常白色光モードで入力された大腸内視鏡検査の動画から、隆起型および表面隆起型の大腸ポリープ候補を検出して表示する。大腸ポリープ候補を認識すると、メイン画像の四隅をアラート枠で囲んだ後、徐々に大腸ポリープ候補に向かってアラート枠を狭めていき、最終的に大腸ポリープ候補をアラート枠で囲む。
アラート枠は、検査の妨げにならないよう表示を最小限にし、病変にフォーカスする際にアニメーションを用いることで、医師がアラートに気付きやすくなっている。アニメーションの表示時間や枠の色、太さは、設定変更してカスタマイズできる。
また、検査映像の表示に遅延が生じないように、解析結果のみを元映像に重ねて表示することで、1つのメインモニターに検査動画と解析結果を表示できる。
エルピクセルが実施したEIRL Colon Polypのソフトウェア単体性能試験では、大腸ポリープの病変検出感度は98.1%、特異度は95.0%だった。
EIRL Colon Polypは、エルピクセルと東京慈恵会医科大学の共同研究の成果に基づく製品で、販売は総代理店としてカイゲンファーマが担う。価格体系が月額課金型となっているため、初期導入費用を抑えて導入できる。
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